最初は家族愛だと思ってた。
でも違ったんだ。


君が好きだ。
好きで好きでたまらないんだ。


気付いてしまえばもう止められない。
無意識に君を目で追いかけてしまう。
それでも君はこの気持ちに気付いてはくれない。




どうしたら気付いてくれる?





―――綱吉








きっと夢中にさせるから










オレの初恋は中学生の頃、学校のマドンナ。
可愛らしくて、優しくて、見ているだけで癒される。
そんな京子ちゃんが好きだった。


……いや、そう思いたかっただけなのかもしれない。


だって男で、しかも家族で、双子の兄を恋愛感情で好きだなんて。


気付きたくなかった。


いつもオレの前に立って守ってくれた。
何があっても大丈夫と言って励ましてくれた。
オレだけに笑いかけてくれる。

そんな君にいつの間にか心が奪われてしまっていた。だけど、この気持ちを綱吉に告白することは出来なかった。

でも、本当は言いたかった。
言ってしまえば、この胸の中にある気持ちがすっきりしたかもしれない。



そう思っても言うことは出来なかった。
言って嫌われてしまったら――
そんなこと考えたくもない。







あれから10年経った。
今では、なりたくもなかったマフィアのドンをしている。
勿論、綱吉と一緒に。
綱吉に守られていた昔とは違い、随分強くなった。
自分以外の人も守れるくらいに。


それが変わったコトであり、この10年間変わらなかったコトもある。


――それは綱吉への想い。


消そうとすればするほど募る想い。
10年経っても想い続けるなんてどうかしてると自分でも思う。



けど、もう無理だ。
思っている以上に君の傍にいることを望んでいる自分がいる。
心が、体が君を求めているんだ。


それに獄寺君や山本、雲雀さんに骸。あとはリボーンかな?
皆、君のことを狙ってるんだ。



だから、決めたよ。
この想いを君に伝えることを。



でも、簡単には伝えない。
10年分の想いはそんなモノではないから。



覚悟しておいてね?
鈍感で無自覚な綱吉だから、じっくりと教えてあげる。
オレから離れられなくなるぐらいに。
ゆっくり、時間をかけてオレっていう存在を刻み込んであげるよ。


それまで誰にも渡さないで。
君の隣はオレの特等席なんだから。








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