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ツナ達が教室から飛び出したときには、黒い人影は木から降りていた。


その人物は気付かれてしまったため、そのまま帰ろうとした。
しかし、後ろから感じる殺気に立ち止まる。



「君、不法侵入だよ。あと校則違反だ」


言うや否や、雲雀は見慣れぬ黒い人物にトンファーで襲い掛かる。
だが、その人物はひらりと避ける。

それを見た雲雀は、面白そうに口角を上げた。


「気に入ったよ」


喋りながらも雲雀は攻撃を続ける。
それすらも避けるが次の瞬間、バッと離れる。



「鳥頭に気に入られるなんて、可哀相ですね。残念ですが、これは僕の獲物です」


槍を振りかざした骸が突然現れる。



「南国果実が何言ってるのさ。僕の獲物だよ」


二人睨み合いながらも、謎の人物に対する攻撃の手は休めない。
さすがに二人がかりでくると避けられないと思ったのか、ナイフを取り出した。






「雲雀さんに骸?!」


その声で一瞬動きを止めた黒い人物を、二人は見過ごさなかった。
一気に間合いを詰め、吹き飛ばす。



吹き飛ばされた人物は倒れて、呻き声をあげる。殴られた場所を押さえながら、よろよろと立ち上がった。
その瞬間、風でフードが持ち上がる。


現れたのは長い蜂蜜色の髪と造形の整った顔。
そして、琥珀色の瞳。


顔を見たそこにいる全員が驚いた。
そしてツナの方を見る。
その人物の髪の長さを除けば、ツナそっくりなのだ。



「――ッ!」


その人物も顔を見られたことに驚くき、慌ててフードを被り直す。
そして何も言わず去っていった。

その場に謎を残して。







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