出会い




ふと目が覚める。
辺りはもう明るい。
時計を見ると、まだ短針は6を差していた。


もう一度寝ようと布団を被り直す。
カチカチと秒針が音を立てて、時を刻んでいく。
その音がやけに大きく聞こえる。


いつもならすぐに眠りにつけるのに、何故か眠れない。


ゴロゴロしていたが、寝ることを諦めて下に降りる。
すでに起きていたリボーンはこちらを見ると、少し驚いた表情をした。



「…珍しいな。お前がこんな時間に起きるなんて。雪でも降るんじゃねえのか」


「リボーンは一言多いんだよ。寝れなくてさ」



もったいない。
後1時間は寝れたのに。
口を尖らせて言った時には、リボーンの視線は既に新聞へと向けられていた。


いつも通り椅子に座り、久し振りにゆっくりとした朝御飯を食べる。



「またマフィアが潰されたか」



食べている途中、突然物騒な事を呟くリボーンに、思わず口に入っている味噌汁を吹き出しそうになってしまった。
しかし、それよりも慌てて母親の方を向き、聞かれていないか確かめる。


歌いながら、料理を作っているところを見ると聞こえなかったみたいだ。



「いきなり何?!」


「これを見ろ」



小声で話しかけると、リボーンは新聞を見せてきた。
イタリア語で書かれてあるそれは、習い出したばかりのオレには難しすぎた。



「………読めません」


「ふん、やっぱりダメツナだな」



リボーンは鼻から息を出して、新聞を自分の方に引き戻した。



「ここ最近、マフィアが潰されてんだ。やっているのは一人。
ヴァリアーでさえ捕まえられなくてな」


「えっ! あのヴァリアーが?!」



大きくなってしまった声に慌てて手で口を塞ぐ。



「そうだ。それにな、顔は誰も見たことがないんだ」



へぇ〜、強いんだ。
驚きはしたが、他人事のように考えていると呆れたような顔をしたリボーンがこちらを見ていた。



「マフィアが狙われてんだ。次期十代目のお前も人事じゃねえぞ」


「えっ!! オレも狙われるの?」


「かもしれない、というだけだ。ビビるな」



でも、と続けようとしたが、リボーンが睨みつけていたため口を閉じざるを得なかった。
その後すぐに家のチャイムが鳴ったため、学校への支度を始めた。








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