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夜、イタリアに着いたツナ達は、ひとまずボンゴレ本部へと向かう。


初めてボンゴレ本部に入ったツナは感嘆の声をあげた。
どこかの城なんじゃないかと思うぐらいに大きく、広い。
ツナは辺りをキョロキョロと見渡しながら、屋敷の中を歩いていく。



「こちらです」


ツナ達が案内されたのは、屋敷の中で一番奥の重厚な扉の前。





「皆、よく来てくれた」


「ふん、取り逃すなんてカス以下だな」


ノックをして扉を開くと、出迎えたのは九代目と偉そうにソファーを占領しているヴァリアーの面々。



「何だと! お前等だって逃がしたくせに」


「ししっ。俺らはいいんだよ。俺、王子だし」


何やら意味の分からない言葉を発する者もいるが、前と後ろからは殺気に似た視線が交差する。
一触即発といった感じのピリピリとした雰囲気が部屋に立ち込める。





「まぁまぁ、落ち着きなさい」



その緊迫した部屋に低い貫禄のある声が響く。
声を発したのは勿論九代目だった。



「ザンザス達には大方の話はしてある。ツナヨシ君、すまなかった。
ワシがもっとしっかりしていれば、こんなことには…」


「……いえ、それは綱吉って人に言ってください」


「…そうじゃな。探しに行くのかい?」


「はい! そのために来ましたから。それに…」


「それに?」


「会わなくちゃいけない気がするんです」



いつものオドオドした面影はなく、真っ直ぐ九代目を見詰める。
その瞳には意志を燈し、有無を言わせない力強さがあった。
その姿に、その場にいた全員が口を閉ざした。



夜はもう遅い。
ツナ達は明日探しに行くことを決めて眠りについた。











次の日の朝、町は騒がしくなっていた。
だが、騒いでいるのはほぼ女性。
滅多にお目にかかれない程の端正な顔をした男が何人もいるのだから、無理もない。
しかし、その騒がれている当の本人達はそんな事など気にもせず歩き続ける。



「沢田、本当にこの町にいるのかい?」


「たぶんですけど…」


「雲雀、何言ってやがる! 十代目が間違えるわけねぇだろ」


「何も手掛かりはないんだ。ツナの超直感に頼るしかねぇな」


「それにしてもあいつらの顔、可笑しかったのな」


「あれは見物でしたね」



今いるのはツナ、リボーン、獄寺、山本、雲雀、骸の6人。
他の守護者とヴァリアーはボンゴレに残ることになった。
特にヴァリアーからの不満気な声が大きかったが、無視してきた。



「後が怖いけどね……って、あそこ!」



ツナが苦笑いしながら話をしていると、いきなり大声をあげて指を差した。
差した方向には、一見すればただ単に絡まれている現場。
だが、よく見るとその絡まれているのは今探している人物だった。









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