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ぞろぞろと沢田家に人が入っていく。
守護者が全員入ることになった部屋はかなり狭い。
会えば喧嘩という名の殺し合いをする、骸や雲雀までもが来て、大人しくしている。

全員の顔を見渡した家光は重たい口を開いた。


「お前達が見た人物は……ツナ、お前の双子の兄だ」


衝撃的な事実に誰も喋ることが出来ない。
だが、家光は話を続ける。


「…お前達、二人が生まれたことを知ったボンゴレの重役達が話を持ち掛けてきたんだ。
『どちらか一人をこちらにやれば、二人をドンとして生かす。だが渡さなければ、どちらかを殺す』と…」


「…本当に、本当にオレに兄弟がいるの?」


「ああ。それでお前の兄、綱吉を4歳のときイタリアの重役に渡したんだ」


「ママンは知っているのか?」


今まで黙って、壁に寄り掛かっていたリボーンが口を開く。


「4歳までは一緒に育てたからな。でも、ツナとは会わせてない。
それと、奈々には事故で死んだことになっている」


苦虫でも潰したような顔をする家光に、誰も何も言うことは出来ない。
誰よりも家族想いだということを知っているから、尚更。




「では、彼は味方なのですか?
僕は彼が現れてからずっと追いかけてきました。
彼はマフィアと言っても、悪事を働いているマフィアしか潰していない」


「いや……3年前、ボンゴレが所有する屋敷が壊されたんだ。
綱吉はそこで過ごしていたらしい。
それからは、どこで何をしていたのか分からない……」



骸の言葉に首を横に振り、息を吐く。

「今まで必死に探してきたんだがな」と、家光は自嘲気味に呟く。







「会ってみたい」


長い沈黙の後、ぽつりとツナが呟く。
その声に応じるように、別の所からも声があがる。



「奴はイタリアに帰っているはずだ。
お前等、行くぞ!」


リボーンの声に賛同し、沢田家から高らかに声が響いた。







一つの大空がもう一つの大空を求めて、動き出す。


近づくも、離れるも努力次第――。






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