傍にいて



「はぁ〜」


「十代目、どうしました?」



お菓子を持ってきてくれた獄寺君に言われて、無意識にため息を溢していた事に気付いた。



「…えっ! ああ、ごめん、何でもない」


「そうですか。でも、何かあったら右腕である俺に!」


「本当に大丈夫だよ」



10年でだいぶ大人しくなった右腕にクスリと笑いかける。



「それじゃあ、俺はこれで」


「ああ、うん。お菓子ありがとう」


「いえ、それでは」



失礼します、と言いながらパタンと扉を閉め、部屋から出ていった。





「はぁ〜〜〜」


長い長いため息。
理由なんてわかっている。
隣に綱吉がいないからだ。


5日前、急に入った仕事。
守護者が行けばいい仕事だったが、誰も空いておらず急遽、綱吉が行くことになった。

一応二人ともボスだから、こんなことがあるとは予想している。

だが、4日前に綱吉に送ったメールが返ってこない。



「むぅ〜、愛が足りない」



帰ったらお仕置き決定だ。
そう意気込むが、ふと違う考えが頭をよぎる。
怪我してるのかな?
病気にでもなったのかな?

考えれば考える程、悪い方向に考えてしまう悪循環。


早く帰ってきて、
その顔が見たい。
その声が聞きたい。


でないと、ため息で部屋の空気を使いきって、窒息してしまいそう。


携帯はいつでも取れるように、机の上に準備してある。

じっと見ていると、ピリリッと携帯が鳴った。
すぐに携帯を手に取り、画面を見る。
そこには今まで考えていた人の名前。

深呼吸をして、受話ボタンを押した。



「…もしもし」


『あ、ツナ。悪いな、メール返せなくて。』


「…そうだよ! オレがどれだけ待ったと思ってるの!」

『意外に手こずってな。もう終わったし今から帰る』


「帰ったらお仕置きだからね!!」


『「…えっ!?」』



ん? 今綱吉の声が二重に聞こえた。
前を向くと扉を開けかけた綱吉がいた。



「…綱吉!!」



オレは机を飛び越えて、綱吉に抱きついた。



「おっと…! ただいま、ツナ」



そのまま抱きしめ返して、額にキスをしてくれた綱吉に、さらに強く抱きついた。



「おかえり、綱吉!」



綱吉を見た瞬間、先程の不安は吹き飛び、今あるのは会えた喜び。



その後、空白の時間を埋めるかのように、何時間も二人で抱きしめ合っていた。




* * * * * * * *


綱ツナ?
…いや、ツナ綱です!
バニラ様のリク、甘々ですが、甘いか?
よく分からない小説を書いてしまって、すみません(^^;






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