Luke + Guy
あなたはわたしの光
ついったーにて友達と一緒に妄想したネタです。興奮した^p^
シリアスほのぼので時間枠は考えてませんでしたのでご自由に
「おおっ!!見てみろよルーク!!あの音機関すげーぞ!!」
「あー…はいはい」
旅の途中、シェリダンでしばらく過ごすことにした俺達。今日は気晴らしにガイに散歩に誘われシェリダンをぶらつくことにした。音機関マニアのガイのテンションが相変わらず高くて正直めんどくさいが…まあ昔からだし。屋敷にいた頃はガイの音機関を破壊してしまったり酷いこともしたし、これくらいは付き合うことにしよう。
「はあぁ…住みたくなっちまうなあ…」
幸せオーラ全開のガイがなんだかおかしくてくすりと笑った。こうして何かに夢中になれるガイは正直うらやましい。俺は剣技は好きでやっていたが、やることがなかったからやっていただけで。それにガイは色んなことに詳しい。ガイだけじゃない。ティアもジェイドもアニスもナタリアも…知識が豊富だ。それに比べて俺は…俺には、何もない。そう、血塗れになった自分の手を見て思った。
「…どうした、ルーク?」
「へっ?あ、いや…なんでもねえ!」
どうやら無意識に足を止めていたらしく、ガイが心配して駆け寄ってきた。笑顔でごまかしたが、笑えていなかっただろう。ガイにはわかってしまうんだろうな。
そう思っていると、突然雨が降り出した。
「うわっ!!なんだよ急に!しかも土砂降りじゃねえか!」
「雨が降る感じなんて全くしなかったのになあ…さっきルークが暗い顔してたせいじゃないのか〜?」
「うっ、うるせえ!」
「とにかく、宿まで走るぞ!」
そうして俺とガイは宿へ向かうため走り出した。通り雨ならいいがそうでなかった場合、どこかに雨宿りしていてもこれ以上の本降りになったりしたら宿へ帰るのが大変だろう。
それにしても…雨に濡れたガイを近くで見て思う。スパで見たり風呂上がりのガイを見た時は特に何も思わなかったが、髪型がいつもと違って垂れ下がっていて…まあ、かっこいい。
「…なんか、雨に濡れたガイってかっこよくて悔しくて腹立つな…」
「ん、そうか?おまえの方がかっこいいじゃねえか。雨も滴るいい男、ってな!」
「…っ!…お世辞はもういい!うるせえって言ってるだろっ!」
そう吐き捨てるように言って俺は思い切り駆け出した。ガイを置いて。照れ臭くて、なんだか悔しくて。今日の俺はなにかおかしい。俺はその場を走り去った。
「お、おいルーク!!どこ行くんだ!…全く、子供だなあ」
「……何やってんだろ、俺」
雨が降り続ける中、地面に座ってしばらくぼんやりしていた俺は顔を上げた。本当に何をしているのやら。ただの子供ではないか。それに心のどこかでガイが迎えに来てくれるのではないかと期待していた。自ら走り去ったくせに。そう思いつつもガイが迎えに来てくれなかったことに対しむくれる自分自身に呆れ、宿に帰ることにした。走る気力もなかったし、もうずぶ濡れなんだしいくら濡れても変わらないだろうと、とぼとぼと歩いて帰った。
宿に戻ると誰も迎えてくれなくて、なんだか寂しさが増して溜息をついた。誰か迎えてくれるのではないかと期待していたが、つくづく自分の甘い考えを思い知らされる。俺は自分の部屋に戻り、濡れた身体を拭くこともせず腰を下ろした。頭がぼんやりして、何も考えられなかった。きっと風邪だろう、ただの風邪だ。考えたくないからじゃない、拒絶しているからじゃない。そう思い込んだ。
しばらくすると、扉を開ける音がしたので顔を上げると、そこにはガイがいた。
「ルーク…!!」
「……ガイ」
「びしょ濡れじゃないか!いつ帰ってきたんだ?心配したんだぞ!」
ずぶ濡れの俺を見てガイが慌ててタオルを持ち出し、俺に渡した。だけどちっとも拭こうと動き出さない俺に呆れたように溜息をつくと、ガイは俺の身体を拭いてくれた。
「拭かないと風邪引いちまうぞ?全く…あれからもう1時間以上は経つぞ」
「…さっき、帰ってきた」
「さっき?!…明日は完全に風邪引くぞ、ルーク」
ああ、風邪引くなんてまた迷惑かけちまうだろうな。ガイに拭かれるがままぼんやりとそう思った。そうしてガイが俺の身体を拭き終わると、拭いてくれて随分乾いた俺の頭にガイが手をぽんと置いた。
「で、どうしたんだよルーク。何かあったのか?」
「………」
理由を尋ねられても俺は答えずに俯いたまま。そんな俺の様子を見て、ガイがいつものように俺の頭を撫でてくれた。しかし俺はいつも大人な対応で余裕なガイに対して、余計に悔しさが芽生えて、温かくて優しいガイの手を振り払った。そして堪え切れなくなった涙がぽろりと零れ落ちた。それをきっかけに、俺の涙は止まらなくなってしまった。情けない、恥ずかしい。こんな些細な事で涙を流すなんて。俺は、弱い。ガイはそんな俺を、ただ黙って見守ってくれていた。
しばらくして俺が泣き止みそうになると、ガイが俺を子供の頃みたいに抱きしめようと手を伸ばしかけるが、引っ込めた。迷ったのだろう。また俺が振り払うかもしれないと、傷付けてしまうと思って。ガイは本当に、優しい奴だ。
それからどれくらい経っただろうか。ようやく俺は泣き止んだ。それから俺もガイも口を開かず、気まずい沈黙が続いた。1分、いや10分か、どれほど続いたかわからない沈黙を破ったのはガイだった。
「ルーク、何があったんだ?よかったら、俺に話してくれないか?」
ガイが俺の肩に手を置いて、優しく理由を尋ねてきた。俺ももう隠す気なんてなかったので、ぼそぼそと話し始めた。ガイは俺の話が終わるまで、相槌をしてくれたりして黙って聞いてくれた。そうして俺は話を終えた。すると、ガイが笑い始めた。
「…ガイ?」
「ははは、そんなことかよ!」
そう言ってガイは明るく笑いながら俺を小突いた。なんだか馬鹿にされてる気がして俺は怒りを覚えた。
「そ、そんなことってなんだよ!俺、結構真剣に考えてたんだぞ!」
そう言ってガイに突っ掛かると、ガイはいつもの調子が出て来たな、と笑顔で言って俺の頭をぽんぽんと撫でた。そのガイの言葉で、俺はいつもの勢いを取り戻していることに気付いた。
ガイが口を開いた。
「ったく、おまえはまだ七歳なんだから、むかついたり悔しくて泣いたりするのは当然さ。だから恥ずかしがることも悩むこともねーよ。これから成長していけばいいじゃねえか!」
「ガイ……」
「ほらルーク、夕飯まだだったろ?俺もまだなんだ。一緒に作って食べようぜ」
そう言ってガイは俺の腕を掴んで、厨房へと向かう。ガイは本当にすごい。あんなに苦悩していた俺をすぐにいつもの俺に戻したんだから。悩んでいた事だって、決して俺を否定せずに励ましてくれて。曇る俺の心に光を射してくれる。
「ありがとう、ガイ!」
「はは、どういたしまして、ルーク!」
あなたはわたしの光
雨に濡れたガイ様はとてもかっこいいと思うんです!!というのは置いといて、これ書いててガイルクはお互いが光なのかなあと思いました。もしくは太陽かな?
ガイもルークも闇の部分を持ってるけど、晴らしてくれるのはお互いの存在で…っていう。理想の関係ですね。お互いがお互いの存在に救われてるという
2011.8.23
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