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Luke + Guy
心の奥に焼き付けて
本編中のふたり。シリアスなのかほのぼのなのか微妙なラインです。




黄色と赤色。夕日に同化してしまいそうな色を持つ二人は海へ訪れていた。
事の始まりはガイの一言だった。

「なあ、少し休まないか?」

ガイの一言に一行は首を傾げた。その中でジェイドが口を開いた。

「おや?珍しいですね、ガイがそんなことを言うとは」

「いや…ここのところずっと戦闘ばかりだろ?確かに世界は大変なことになっているが、救える俺達には休息だって必要だと思うんだよ」

「そうですわね…私達が倒れてしまっては元も子もありませんし」

その提案にナタリアが微かに同意する。それに続きアニスが。

「そうだよね。一日ぐらい休んでもいいんじゃない?」

「そうだな。師匠が逃げるわけもないし」

「確かにそうね…私もいいと思うわ」

「では、私も歳ですし少し休ませてもらいますか」

最終的には皆が同意した。
そしてその日は一日、自由行動となった。各々行く所はあるだろうが、万が一という場合に備えて遠出はしないという条件が付け加えられた。

「なあルーク。海に行かないか?」


「へ?別にいいけど…」

「なら決まりだな。早速行こうぜ。ついてくればわかるさ」

「あ、ああ…」

そうしてルークはガイの誘いにより海へと向かうことになった。
着いた先は、青く澄んでいてとても綺麗な海。こんな所があったなんて、ルークはそう思った。

「俺初めてちゃんと見たぞ!すげえ…!」

ルークは旅の最中海を目にしたが、確かにまじまじと見ている暇はなかっただろう。レプリカという事実が判明し、変わろうと努力し変われた彼。しかし現実は甘いものではなく、障気という脅威、死の決断を迫られた。のんびりとしている時間はあまりに少なかった。

「ガイは何で急に海に行こうって思ったんだよ?」

「屋敷にいた頃、お前を海に連れて行ってやるって言ってたろ?」

「へ?そうだっけ?」

「おいおい…行きたいって言ってたのはルークだろうが」

ルークは首を傾げ思い出そうと記憶を遡った。屋敷に軟禁されていた頃のルークは外出できないストレスのせいなのか、我が儘ばかり言っていた。それも毎日のように。だから本人が覚えてないのも仕方ないのかもしれない。

「それで、連れて来てくれたのか?」

「ああ。今更かもしれないが、やっと連れてきてやれたよ」

ガイはそう言うと安堵の表情を浮かべた。それほどまでに気にしていたのだろう。世界を旅して海には訪れたが、ガイが連れて来たというわけではなかった。今になってようやく約束が果たせて安心しているようだった。

「そっか…ありがとな、ガイ!」

「どういたしまして」

「…へへっ」

すると突然ルークは上着や靴をを脱ぎ捨てて、剣までも投げ捨て海へと駆け出した。ガイは何事かと驚いたが、海に足を付け笑顔で走り回るルークを見て微笑んだ。ルークに続き、ガイも同じように海へと駆け出した。

「よーし、いっちょ遊ぶか!」

「マジで?!付き合ってくれんのかよ!」

「まあルークは経験したことないだろうしな」

「へへ、やった!」

ガイが言えばルークは無邪気に笑った。
二人の青年が海で遊んでいるという光景は周りから見ると奇妙だが、ガイとルークは本当に楽しそうにしていた。それは幼い頃に戻ったかのようで、自然とあの日々が重ね合わされた。
日が落ちてきた頃、二人はようやく浜辺に上がった。服は随分と濡れていた。

「びっしょびしょだな。こりゃ風邪引いちまうぞ」

「皆に怒られるよなー確実に…」

「許してくれそうにないからなあ…ま、いいじゃないか!これも思い出だ」

「へへ、そうだな!」

二人はそう言うと、夕日を見た。水平線からの綺麗なグラデーション。その景色に二人は少しの間見とれた。

「またこうして、来れたらいいよな」

ルークが寂しそうに口を開いた。ガイが答える。

「来れたらいい、じゃない。また来るんだよ」

「あ…うん、そうだな!」

ガイの言葉にルークは力強く応えた。また必ず来ることを誓って。

「俺、絶対この日を忘れない。今日だけじゃない。ガイと、皆と過ごした日々を」

「ああ…、そうだな。俺も忘れないよ」


「「また必ず、ここに来よう」」


二人の間に、またひとつ約束が生まれた。
その約束を果たすと信じて。




心の奥に焼き付けて




残暑見舞い絵のおまけ的なものですが長くなりました。アビメのドラマCDのエピソードゼロでガイが「どこにでも連れていってやるよ」とか言ってて多分それで思い付いたネタかと
しかしイケメンな台詞ですなぁ…安定のガイ様である
2012.4.23 加筆修正


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