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Luke + Guy
穏やかな時間
冗長な話。現パロです。




天気予報では本日の天候は曇りのち雨。午後の降水確率は70%。現在の時刻は正午を回ったところ。空を見上げれば鮮やかな青空が広がり太陽が元気に顔を出しており、照り付けるような日差しを容赦なく浴びせている。それはきっと、今待ち合わせをしている男が晴れ男だからだろう。

「ルーク!」

「ガイ!おっせーぞ!」

俺の抗議の声にガイは悪いと苦笑いを浮かべながらこちらに駆け寄ってきた。相変わらず青空がよく似合う男で女性達の視線を釘付けにする、腹が立つほど爽やかな、俺の親友。今日はそんな親友と出掛ける約束をしていたのだ。
俺とガイは大学生だ。幼稚園の頃からずっと一緒の幼なじみ。高校は同じ所を受け無事合格し、大学は一緒に行くつもりなんてなかったのだが示し合わせたかのように同じ大学を受けており、そして二人揃って合格した。俺たちは気付けばずっと一緒にやってきたのだ。

「で、今日はどこに行くんだ?」

「ゲーセン。それから服買って飯食べようぜ」

そう言って俺たちは歩を進めた。出掛けようと誘う際、俺たちはお互いに予定は決めずにその時の気分で向かう場所を決めるのだ。気が変わりお互いの自宅にお邪魔することもある。突然予定が変わっても俺たちは喧嘩しない。口では文句を垂れ流すことがあっても、結局は満更でもないのだ。
ゲーセンに到着し、レースゲームや格闘ゲームで対戦し、欲しいフィギュアがクレーンゲームに置かれていたので得意なガイに取ってもらった。思わぬ収穫だと笑みを零せば、ガイも同様に笑みを浮かべた。ガイは人が喜ぶとまるで自分のことのように喜び穏やかな笑みを浮かべる。それがこいつの長所だろう。女性に勘違いさせてしまうこともあるが、本人に自覚がないためタチが悪い。改善しろとは注意するのだが無意識なため見込みは皆無だ。全く腹が立つ。
続いて服屋に寄る。秋物の服を新調しておきたかったのだ。ガイも同様に服を選んでいる。俺も選んでいるが中々良い物が見つからない。迷っているとガイがこちらに歩み寄り、一緒に服を選んでくれた。おまえは素材がいいんだから、と笑いながら。ガイはいつもそう言うが本当なのだろうか。普段と変わらず疑惑の眼差しを向けながらも、大人しくガイが選んだ服を受けとった。悔しいことにガイが選ぶ服に外れはないのだ。

「そろそろ腹減ったな〜…」

「じゃああそこのファミレスに入ろうぜ。友達から教えてもらったんだが、中々美味かったぞ」

「あー、あそこ評判いいよな。じゃあそこでいいよ」

と、空腹感に負けた俺はガイの言葉に誘われるままファミレスに入店した。
こうしてガイと二人きりで出掛けるのは何時ぶりだろう。
大学でも顔を合わせることは多いが、学年が違うため共に過ごす時間は大学入学以前より想像以上に激減したのだ。幼なじみなためお互いの自宅は近所で即座に会うことも可能だが、頻繁に顔を合わせ遊んでいるわけではない。幼い頃から一緒におり距離が近すぎるためその必要はないのだ。
だがガイの側にいる時間が最も長く、暇を持て余すこともない。宛てもなく二人で出掛けたり、遊んだり、会話をして。驚くことに話題は尽きないしいくら一緒にいても飽きないのだ。ガイといると落ち着いた平和な一時を過ごせる。
なんだかんだで、俺はこの親友と共に過ごす時間が一番好きなのだ。お互いに最も理解し合い、最も長い時を過ごしてきた、そこにいることが当然でありなくてはならない空気のような、そんな存在。
噂通り美味だったファミレスを出た後、俺の家の前にたどり着く。

「明日は何限からだ?」

「えーっと…2限からだなー」

「俺も明日は2限からなんだ。一緒に行こうぜ」

「おう!んじゃ、また明日なー」

「ああ、気をつけて帰れよ!転ぶなよー」

「転ぶわけねーだろ!」

「この前転んだのはどこの誰だっけなぁ」

「うっせー!」

ガイはそうして笑いながら手を振り去っていった。
端から見れば下らない時間かもしれない。しかし俺とガイにとっては必要不可欠であり、そう自覚する以前にいつの間にかそんな時間を過ごしているのだ。永遠かとも思えるような、単調であり、素敵なひと時を。









気分転換に書いたお話でした。ルークとガイの何気ない日常が好きな私です。二人だけの時間って一番まったりしてそうですね(´∀`)
2013.8.31


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あきゅろす。
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