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Luke + Guy
決意の証
現代パロでバッサリ髪切るルークです






「ガイ、俺の髪切ってくれないか?肩辺りまで」

ルークが突然そんなことを言ってきた。それもいつもとは違う真剣な表情で。

「どうしたんだ?突然。おまえ、自分の髪気に入ってたじゃないか」

ルークの髪は随分長い。腰下まである。ルークは生まれてからずっと髪を伸ばしていたのだ。毛先を整えたりするために少しぐらいは切ったりしたが、それでもばっさりと切ろうとは言ってこなかった。それは自分の髪を気に入っていたからだ。恥ずかしいからか、口ではそんな事を言ったりはしないが態度でわかる。髪を褒められると少し嬉しそうな表情になるのだ。おまえは女の子かと言いたくなったが、そんな事を言ってしまえば怒ってしばらく口を利いてくれなくなるだろうから言っていない。
そもそもルークの髪は俺が手入れしてやっていたのだ。幼い頃からずっと。
ルークは中学3年生、俺は大学生だ。幼い頃から俺たちは兄弟のように育った。そして俺が大学に進学する頃、ルークの両親が海外勤務になる事が決定した。両親はルークも連れて行きたかったがルークは海外へ住む事を断った。学校でみんなと楽しみたい、ガイと一緒にいたい、と言って。かと言ってルークを一人にするわけにもいかず、そこで俺に白羽の矢が立ったわけだ。ルークと一緒に暮らしてやれないかと。俺はもちろん承諾した。ルークを一人にするわけにはいかないし、何よりルークと一緒に暮らすとなると楽しくなりそうだと思って。そんな訳で今、ルークと俺は共に暮らしているのだ。
ルークが答えた。

「いや…俺、今月から中3になるだろ?中3は受験があるし、今までみたいに遊びほうけるのはやめて頑張らなきゃいけない…その決意のためだよ」

それを形に示したくて、だから髪を切るんだと、ルークはそう言った。それを聞いて俺は嬉しくなった。ルークがそんなふうに考えていたなんて。
今までルークは友達と遊びほうけてばかりで、成績もあまり良くなかった。根は優しく良い奴なんだが我が儘で怠惰な生活を送ったりもした。そのルークが決意のために髪を切るなんて。これは本気だ。
俺が嬉しさのあまり言葉を出せないでいると、ルークが心配そうな表情で話し掛けてきた。

「…ガイ?やっぱ、信じられないよな…」

「…え?ああ、いや、驚いて嬉しくて言葉を失ってただけさ!信じるよ、ルーク」

俺がそう言うとルークは安堵の笑みを浮かべた。ルークのこんな笑み、もしかしたら初めて見たかもしれない。ルークは本気で変わろうとしている。なら、信じてやるしかないじゃないか。

「俺さ、ガイが行ってた高校に行きたいんだ。今の俺からすればレベルが高いかもしれない、行けないかもしれない。でも俺…頑張るから!」

「…ああ!俺も教えられることは教えてやるからな。頑張れよ、ルーク!」

ルークがそう言ってくれたのが本当に嬉しくて、思わず笑みが零れた。ルークがどう変わっていくのか楽しみだ。



「本当に…いいんだな?」

「ああ、頼む!」

俺は最後にもう一度ルークに確認して、彼の髪を、ばっさりと切った。なんだか寂しいような気もする。
ルークの髪を整えてやると、まるで別人のようになった。

「お、いいじゃん。大分さっぱりしたぜ?ほら、鏡見てみろよ」

「ああ。…おわっ、俺じゃないみてぇ!」

髪を切るだけでこんなにも変わるのかと言うほど変わったように思える。外見はもちろん、雰囲気が全然違うのだ。
そう、ルークはまた、ここから歩み始めるのだ。

「なんだかこの切った髪、勿体ない気がする…ガイに手入れしてもらってたから好きだったんだけどなぁ」

「そんな理由で好きだったのか?はは、光栄なことだ」

「ああ…でも、頑張るよ!俺、変わってみせるから!」

「ずっと見ててやるからな、ルーク」






決意の証






現代版ルーク断髪でした
断髪というかは切ってもらったんですけどねww書けて満足です
2011.9.25


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