Yuri × Flynn
夕日の誓いを
下町にてほのぼのユリフレ!
下町の暖かさがすごく好きです住みたい
今日は久しぶりに休暇をもらったので下町へ訪れることにした。騎士団長はやることが多く休む暇もなかった。おばさんやおじさん、子供達が心配しているだろうから顔を見せに行こうと思ったのだ。
それから、ユーリにも。
下町へ着くと皆が声を掛けてくれた。差し入れまでもらったりと下町の人々は本当に暖かい。何年経っても皆のこういうところは変わっておらず、帰って来たんだと改めて実感できる。噴水広場では子供達がボール遊びをしていた。その中に、漆黒の彼が混ざっていた。
「よ、フレン」
「あ、フレンだ!」
「フレンもあそぼー!」
「ああ、もちろんだよ」
ユーリが僕に気付くと、続いて子供達も気付き周りに群がってきた。騎士団長となってからは忙しくなり、僕も滅多に帰って来なくなったので、子供達はいつも僕が帰って来るのが待ち遠しいらしい。
「おれ、フレンがきょうかえってくるってわかってたよ!」
「それはすごいね。どうしてわかったんだい?」
「ユーリがいってたから!」
「ああ、オレも正直当たるとは思わなかった。愛の力だな」
「…さすがだよ、親友」
「訂正しろ。恋人だろーが」
「あはは、そうだな」
二人して笑った。子供達はおいてきぼりなのが不満なようで、ユーリと僕を無理矢理引き離そうとする。それでも子供の力だから負けることはない。負けじと引っ張ると子供達がバランスを崩し倒れ込んで来て、僕も支えきれず一緒になって倒れてしまった。幸い今日は休暇なので私服を着ており、甲冑を付けていなくてよかったと心の底から思った。
「うう…フレンごめんなさい」
「いてて…いや、構わないよ」
そう微笑んで安心させるように言うと、倒れていた子達もにっこりと笑い立ち上がった。するとユーリが僕の前に立ち手を差し延べてきた。
「お怪我はございませんか?お姫様」
「平気だよ。それからお姫様って呼ぶのやめてくれないかい?」
「無意識に言ってるんだよ」
「それは困るな」
彼の言葉にもまた微笑みながら、手を掴み立ち上がった。横から視線を感じると思えば、子供達が早く遊ぼうとでも言うような眼差しを向けていた。
「フレン、やるだろ?」
「ああ!」
それからはいつぶりだろうか、ボールを使いいろいろと遊び楽しんだ。僕がよそ見をしていると、ボールがこちらに一直線。見事に僕の顔面に命中した。
「よそみしちゃだめだよフレン!」
「いっ…たた…」
「おいおい騎士団長様…フレンってホントどっか抜けてるよな」
「あはは…僕としたことが…やったな!」
そう言い飛んできたボールを手に子供達と一緒になり遊びほうけた。楽しい時間は過ぎるのが早く感じる。いつの間にか夕方になっているのだから。
気付けば時刻は5時。幼い頃はよい子は帰る時間だと言われていたことを思い出す。子供達は手をこちらに向かって振りながら帰って行く。母親と手を繋ぎ自分の家へ向かう者、おばさんと手を繋ぎ孤児院へ向かう者など様々だ。
しばらくするとあんなに騒がしかった噴水広場は先程までのことが夢だったかのように静まり返り、哀愁を漂わせていた。
晩御飯はハンクスさんに頂くことになった。久しぶりにハンクスさんの手料理を口にすることになるので楽しみだ。
徐々に沈んでいく真っ赤な夕日を見つめていると、ユーリが呟いた。
「また、こんな日が来るとはな」
「え?」
「遊びまくって服もドロドロになって、こうして夕日を見て帰った、あの日々がよ」
そう、幼い頃は先程の子供達のようにはしゃぎ回っていれば一日が終わっていた。皆には大きく手を振り「また明日!」と。退屈なんてしない日々だった。
今では退屈なんてしていられない日々だから、ユーリは今この状況が嘘のように思えるのだろう。僕もまさか騎士団長に休暇をくれるなんて思ってもみなかったが。
「そうだね…僕は子供達がまたこうやって過ごせる日々を守らないとな」
「ああ、オレも同じだ。あと、オレ達が式挙げれるためにもな」
「ユーリ…君って奴は…」
「オレは真面目だぜ?」
ユーリがそう言うと、僕は微笑んだ。昔からユーリには口では言い負かされてばかりだ。ほとんどのことはユーリよりも一枚上手だったが、今は同等のような気がする。
「…ユーリ」
「おう」
「好きだよ」
「ああ、オレも愛してる」
この平和を守り抜こう、明日のためにも、世界のためにも。
そして、二人のためにも。
夕日の誓いを
夕日を背に、僕らは誓いのキスをした。
何が恥ずかしいって最後の一文!!
まともにキスさせたことないなと思ってとりあえずさせましたやだ恥ずかしい///
ちょっとだけど下町との触れ合いが書けたのでよかったです
うちのユーリはかなりの高確率でフレンを「お姫様」と呼びます。ユーリの癖というか私の癖になったな、あらま/(^o^)\
2011.3.25 修正
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