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Yuri × Flynn
その背中を追いかけて
久々に幼少ユリフレです








今日も下町では子供達が元気に走り回っている。彼らは眩しいばかりの笑顔を振り撒きながらとても幸せそうに。
その中でユーリとフレンはかけっこをしていた。

「いくよ!よーい」

「どんっ!」

二人はいい勝負をしている、ように見えるがユーリの方が負けている。フレンの方が運動能力は一枚上手なのだ。
結局フレンが1着、ユーリが僅差で2着となった。

「あーくそ!フレンもう一回!」

「いいけどまけないよ!」

「オレだって次こそかってやる!」

すると二人は再び元の場所へと戻りかけっこを再開した。しかしやはりユーリはフレンに負けている。あともう少しで追いつけるのに。

「あああくそおお!また負けた!」

「えへへ!ユーリは僕にかなわないんだから!」

「うう…もう一回だフレン!」

「のぞむところだ!」

子供は疲れることをまるで知らない。結局二人は限界が来るまで競い続けた。最後までユーリはフレンに勝つことはなかった。ユーリがフレンに追い付いても不思議ではないのだが、一体何があるのだろうか。
空を見上げれば赤から黄色の綺麗なグラデーションに彩られていた。もうすぐ日が落ちる。子供達はもう帰る時間だ。
他の子供達がそれぞれ帰るなか、二人も孤児院へ向かってまたかけっこを楽しみながら帰っているように見えたが。
急にフレンが立ち止まった。

「…?なんだよフレン」

追い付いてきたユーリが問い掛けるがフレンは答えることなく俯いた。ユーリがどこか痛いのかなどと聞いても首を横に振るだけで口を開くようすはない。
苛立ったユーリが声を荒げた。

「あーもう何なんだよ!はっきり言え!」

するとフレンは肩を震わせながら涙声で答えた。俯いていた顔を上げ、ユーリを真っ直ぐに見つめながら。

「ユーリ…なんで、おいついて、くれ、っないの…?」

「へ…?」

「う、…うええええん!!」

言い終えるとフレンが泣き出した。彼はなんでユーリは僕に追い付いてくれないんだと言った。フレンは不安だったのだろうか。自分だけが前へと進んでユーリはまだ自分の後ろにいて、怖くなったのだろう。
ユーリは泣き出したフレンに困惑しつつもなんとか宥めようとしていた。

「フレン泣き止めよ。オレだってはやく追いつきたいんだ」

「ぅえ、ユーリ…っく…」

「オレさ、もうフレンを泣かせたくないからがんばって追いつくぜ!」

「う、ん…」

そう言って彼らはしっかりと指切りを交わした。ユーリは必ず追い付いてみせると、そう誓った。



そして今。ユーリはフレンの隣にいた。

「そんなこともあったな」

「ああ…僕が泣き出しちゃって」

「フレンは昔から泣き虫だな」

「そんなことないよ。泣き虫だったのは子供の頃だけさ」

「どうだか」

フレンは実際泣き虫だ。それに今も。泣くのを堪えているだけで、心の中では泣いているのだろう。
ユーリが急に立ち上がった。

「よし、久々に競争するか」

「え?」

「だから、オレの部屋までかけっこだよ。よーいどん」

「あっ!ちょっとユーリ!今のはズルイじゃないか!」

「言ってる暇があんなら追い越してみろ」

「甘く見ないでほしいな!」









その背中を追いかけて







下町を駆ける青年が二人。
その時の二人は、少年だった。










幼少ユリフレでした
フレン泣き虫だったら萌えますよね!


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