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小説
相棒はどうやら父になったらしい(瓜目線)



最近、家に新しく家族が増えた
ハルト というらしい。
見た目は相棒のハヤトにそっくりで、髪色や瞳の色なんかは瓜ふたつだ

なんか瓜ふたつってややこしいな……まあいいけど

そしてハルトはすごく活発で、少し目を離しただけでベットとかキッチンとかリビングとかを忙しなく動き回る

正直言って動きに予測がつかない

だからいつもハヤトとハルはバタバタと走り回っている


そして迷惑な事にハルトは隠れるのがうまい
この前なんか洗濯機と壁の間に見事に挟まったまま寝てて、家中大騒ぎだった

ハヤトは慌てふためいて夜中なのに大声で名前呼んでるし、ハルに至っては「誘拐ですか!?」とか「もう帰ってこないんですか〜!!」と泣き喚くし

あまりに見てられなかったから僕が探して見つけたんだけどね。まったく…



…そういえば、最近アイツの背中が父親らしくなったなーと思う。
特にハルトをあやしてる時なんかがそうだ

ユラユラ揺らしながら、ハルトを腕に抱いてその寝顔を見つめてたりとか
差し出した人差し指をハルトが握った時なんか、顔がゆるゆるになって

コイツは本当にあのジューダイメの右腕で僕の相棒のゴクデラハヤトなのかと自分の目を疑ったくらいだ

ハヤトが休みで、ハルはキョウコとケーキ食べに行ってるから家には僕とハヤトとハルトの三人だけの時があった。
僕はお気に入りの陽だまりの中で丸まってる
そしたら視線の先で親子でじゃれあっているのが見えた

「おっ、どーしたハルト。瓜と遊びてーのか?」
バタバタと手足をばたつかせて、ハルトが僕をご指名だった
目の前に おら とハルトが降ろされて、小さな暴君は目をキラキラ輝かせながら猛スピードで僕の方へ這ってきた

ハイハイ、遊んでやるよ。

にじり寄ってきたハルトの柔らかいほっぺたに肉球でスタンプを押してやると、彼は楽しそうにキャッキャと笑い出した


今日は何をするんだろうか
最近の遊びは僕の尻尾を引っ張ったり ペチペチ叩いてみたり 尻尾を掴んで僕を引きずってみたり
別に痛かないけどなんかくやしい
でもハヤトとハルが大切にしてる子だから引っ掻いたりできないしさ。

だから八つ当たりしてやるんだ
おいハヤト、この子ちゃんと育てないと僕が引っ掻いてやるぞーってね


今日も僕はされるがまま
ハヤトが 悪いな と軽く拝んで見せたから
フンッ と鼻を鳴らしてそっぽを向いた


相棒は、いつの間にか立派な父親になったようだ。



End.

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あきゅろす。
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