49.ねえ、それは無意識?/復活/沢田
ああ、何が不安かよくわからないのだけれど物凄く不安。悲しい、辛い、心臓が重い。私だけ一人ぼっちみたいで全然楽しくない。寂しい、寂しいよ……
「ユーリ、大丈夫?」
「綱吉……」
「俺のベッドに入って来たと思ったら急に泣き出すんだもん。何かあった? 俺でよければ話聞くよ」
ユーリの弱音聞けるの俺しかいないだろと目と鼻の先にいる綱吉は笑う。無意識に起こした行動にかあっと頬を染め上げて、私は苦く笑った。話っていったって具体的な例も何もないというのにどう説明したらいいのだろう。ごめん、綱吉。
「なんでもないよ」
「そっか」
起こしちゃってごめんと謝ると彼は構わないよと笑って安心させてくれた。枕が少し沈む。あ、と何かを思い付いたのか彼は声漏らした。月の薄明かりが綺麗だなと私はぽつりと思って綱吉に其れを報告しようと手を伸ばす。
「抱き締めることくらいなら出来るからさ。これなら少しは落ち着く?」
「うん」
ありがとう、なんて恥ずかしくて言えるわけない。こういう時だけやたら気の利く彼に身体が硬直して、目が乾いていく。トクントクン。ああ頭を撫でてくれる手のひらが愛しい。優しい。彼の体温が身体中に渡って心を潤した。
「綱吉、」
「ん?」
「……だいすき」
少しの間を置いて知ってるよ、と彼は笑った。囁く。寂しいと感じるのは寂しくない気持ちを知っているから。一人ぼっちだと感じるのは貴方といるから。
夜、目が覚めて
(寂しくないの)(大丈夫)
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