43.恥じらいさえ投げ捨てて/復活/沢田
ねえ綱吉。
世界で一番愛してるよ!
「ユーリ、視線が痛いんだけど」
「気にしないでゲーム続けて」
「……無理じゃね?」
「襲うよ?」
「はいはい」
部屋の掃除をしながらユーリはゲームをしている綱吉を食い入るように見ている。
「ユーリってさー」
幼馴染みが用意したポッキーを口にくわえて綱吉はユーリを見た。
「変態、だよね」
「うん」
「(…否定しろよ‥)」
「綱吉に嫌われない限り変態でいつづけるつもりです」
パキンッとポッキーの折れる音がして綱吉はテレビ画面に向き直る。
「一生変態でいるつもり?」
「……」
手に持ってる掃除機がガタンと落ちてユーリは口を金魚の如くぱくぱくさせた。
「つな……」
ゲームをしているが為に座っている綱吉に抱き着いて突然ユーリは泣き出した。
「何で泣くかなー」
「私、綱吉以外になら嫌われていい」
というかどうでもいい、とユーリは泣きながら言った。告白を受けた張本人はやれやれと溜め息を吐いてコントローラのスタートボタンを押した。
「ユーリはしょうがないね」
「つなぁーすきぃーっ」
「だから知ってるって」
綱吉は苦く笑って幼馴染みの頭を優しく撫でた。
「綱吉は?」
「俺?」
「うん」
「其処のペンとって」
「?……はい、どうぞ」
ユーリは言われるがまま綱吉にペンを渡し、次いでに目を塞がれた。
「なに?」
「質問の答えを書くからじっとしてて」
「ん」
ねえユーリ。
世界で一番愛してるよ?
癪だけど
(綱吉、これ油性ペン、痒いー)
(だから頬っぺたでも上手く書けたのか)
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