28.君取扱免許/DG/アレン
「ユーリ、泣いてるんですか?」
声が聞こえて目が覚めた。すると、目の前にアレンの顔が現れて心配そうに覗きこんでくる。
その表情はとても可愛いんだけど、こちらとしてはかなり恥ずかしい。
「え、今度は赤くな……まさか風邪ですか!?」
「おでこくっつける、な」
勢いよく突っぱねる、とアレンは床に落ちた。それで此処はベッドの上で、自分たちの部屋だということを理解した。
「アレン、ごめん、大丈夫?」
私の急な行動に驚いて固まっていたが、声をかけると花が咲きそうな勢いで笑った。
「ユーリが無事なら大丈夫ですよ」
「……アレンさんのせいで無事じゃないでーす」
枕に顔を埋めて右手を挙げる。
せんせーい、なんでアレンくんはこんなに可愛いんですかー。くちにだせないけど。
「僕のせいなんですか! えっと、あ、え、うーん……どうしたらいいんですか、ぼく」
「ベッドの上に乗って」
空いてるスペースをぽんぽんとたたく。アレンを横目で見ると首を傾げながらも、指示に従っている。
「ベッドの中に入って」
「はいりましたよ」
「……」
真横から次の指示を待つ視線。ああ自分の首を締め付けるとは、自分の性格を疑うよ。
「じゃそのままで」
「……こっち向いて下さい」
「勘弁してください」
キッパリと断るとアレンは左手で、私の髪を撫でた。耳に熱が走るのが分かった。
「ユーリって、本当に可愛い人ですね」
こわい夢を見たのに、
貴方が無邪気に笑うから
すっかり忘れてしまったわ
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