50.抱きしめて、キスをして/復活/沢田

 
「綱吉、何をそんなに怒ってるの」


学校から帰ってきてから、綱吉は私から抱き着いて離れない。季節は夏。暑くて仕方無いのは私だけではないはずなのに。どうしたらいいのやら。


「綱吉が答えられないようなことをした覚えは全くないのだけど」

「山本の手を握った」

「あれは握ったというより触れただけで……仕方無いじゃないか、不可抗力」


日常の学校生活で身近にいる友人の手くらい触れるだろう。普通。私と綱吉が乗っかってるベッドが軋んだ。どうやらまだ離れてくれる気はないらしい。


「獄寺と手を繋いだ」

「あれは隼人が遅いから手を引っ張っただけ。」


おかげで授業に間に合ったじゃないと言ってみたものの軽く聞き流されたようで、これも無効。一体どうすればこの暑苦しい腕をほどく鍵が見つかるのだろうか。いや、そもそも綱吉がどうしてそんな些細なことで怒っているのかを考えなければ。


「ね、綱吉」

「……」

「分かりにくい嫉妬だね」

「悪い?」

「悪くはないけど暑い」

「そう」


そういうとすんなり離れてベッドから降りる綱吉。まだ彼の体温が残っていてポカポカするが幾分か楽になったな。と考えている私の横で綱吉はエアコンのリモコンを手にとってスイッチを押した。そしてベッドに戻ってきて先程と同じ体勢。エアコンつけたからいいでしょと座っている私の肩を抱く。そうだね、涼しくなるなら良しとしよう。


「だからってな、信頼できる親友や部下に嫉妬することはないでしょ」

「ユーリに触っていいのは俺だけ」

「はあ」

モノポリーカラー
(そっくりそのまま)
(返してやりたいのにな)

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あきゅろす。
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