37.こたつとみかんとあと君が/ボカロ/カイト
設定:貴方はマスター
カイト所持


>夜零時

>自室のベッドで寝ていたが、消したはずのパソコンが光り出し、その眩しさに目が覚めた

>ぼんやりとした黒い影が真横に現れる


「起こしてしまいましたか?」

「俺ですよ、カイトです。今明かりつけますね」


>目の前にはデータではない生身のカイトがいた


「突然現れたりしてすみません。ネットワークを漂ってたら、僅かな時間でも人間になれる方法があったものですから」

「本当、まさかこうやってマスターに直接逢えるなんて」


>カイトは穏やかに笑っている


「俺はずっとマスターに逢いたくて仕方がなかったから、凄い感動してます」

「毎日、モニター越しでしか逢えなくて寂しかったんですよ」

「マスターが泣いてる時、なんで俺はマスターを笑顔にすることができないんだろうって思ったりもしました」

「……あのー、マスター」

「つかぬことをお伺いしますが、マスターに触っても良いですか?」


>カイトの目が爛々と輝いている。

>断るのは難しそうだ……


「わあ、本当ですか! ありがとうございます」

「それじゃ失礼します! ……えっと、マスターのほっぺ、マスターの首に肩。それにマスターの腕と手のひら」

「……」

「マスター、俺幸せです。生まれて一番の幸せな時かもしれません」

「……いい匂いがしますね」


>そう言って、カイトが髪に触れてくる


「こうやって貴方が手の中にいる。いつもならモニターに邪魔されているはずなのに、ね」

「……」

「ね、マスター」

「さっきから俺の手をぎゅっと握っていますけど、どうしたんですか?」


>カイトがくすりと笑う


「もしかしてマスターも寂しかったんですか? 俺と同じように」

「……」

「そろそろ時間みたいです」

「今度はマスターがこっちに来れるように色々調べておきますね。だから、どうか泣かないでください」


>カイトに言われて頬に手を当てると、微かに濡れていた


「マスター」


>カイトが手を重ねる


「今度は一緒に帰りましょうね」




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あきゅろす。
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