35.そんなに笑わないで/VC/巡音

雨が降ってる。私はこの音が好き。だってこの音がする日はずっと貴方はここにいるもの。ねえマスター、別に今日だけじゃなくていいのよ?ずっとずっとここにいてくれていいのよ、だって此処は貴方の部屋でしょ。無理して外になんて行く必要ないわ!



「おい、ルカ、どうした?」

「え、あ……なんでもないわ」

「お前にしちゃ珍しくボーッとしてたな」

「私だって考え事くらいするわよ」

「はは、俺でよかったら聞くぜ?」

「えっと、じゃあ……」

「うんうん」

「マスターはどうすればずっと此処に居てくれるのかしら」

「うんう……ん?」

「マスターがすぐ外に行っちゃうから、私はいつも心配なのよ。変な病気にかかったりしないかしらとか、変な男に絡まれてあんなこんなになっていないとか」

「ルカ、おまえなあ」


マスターは手を伸ばして私の髪の毛をぐちゃぐちゃにした。無邪気に笑うマスターはやっぱりどこか危なっかしい。だからマスターはずっと私の近くに居ればいいと思うわ。けど、いい方法が思い付かないの。


「俺は一人前なんだから、そんな心配しなくてヘーキ」




その気遣いが苦しいのに
(ツキン、)
(この胸の痛み)(早く消し去れ)

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あきゅろす。
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