233.リップシップ/アレン

部屋でくつろいでいると

「ユーリ!」
「わっ」

出会い頭に腰を抱かれキスをされた。腕から脱出しようと試みるが子犬のような狼男ははなしてくれない。

「うーん、お風呂上りですね?」
「アレンは任務帰りだね。あせくさい」
「えっ、本当?」

少年は驚いて後ろへ飛び退く。実際のところ全然臭くないんだけど、離すには手っ取り早い。

「お風呂入ってこれば?」
「もちろんそのつもりだけど、ユーリに先に会いたかったから」
「わあ、殊勝な心がけだね!」
「馬鹿にしてます?」
「してない」

少し乱れた衣服を整えながらベッドに座る。

「ユーリ」

ボタンから目を離すと、またキスをされた。16歳にしてませた餓鬼だと思う。いや16歳だからこそ、こういうのに目覚め始めるのかな。

「いいからお風呂入ってきなさい」
「はーい! 行くよ、ティムキャンピー」

今の一部始終を録画していたと思うとゾッとするユーリであった。

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あきゅろす。
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