231.キスをするのも嫌がらせ/霊王/ハオ?
ハオの悪ふざけも大概にしてほしいところだ。朝昼晩さらに会うたびに接吻を要求してくるって、どんだけ暇なの。
「何考えてるんだい?」
「はぁ、ハオのことだよ」
「ふーん。ついに葉の手から離れる気になった?」
「いいえ」
「そっか。じゃあ、いつも通りだ」
ちゅっ。わざと音を立ててキスをする。嫌がらせに嫌がらせを重ねてくるとかどんだけ意地の悪い性格をしているんだか。
「もっといい顔してくれない? 僕、これでも色男だと思うんだけど」
「色男だろうと何だろうと、好きでもない男にキスされていい顔できるかってんだ」
「そういう身持ちの堅いところも好きだよ」
「滅びろ」
吐き捨てるように言い放つとハオはやれやれといったポーズをとって、グレートスピリッツに乗って去って行った。
「ユーリも大変なんさ」
「葉のお兄ちゃんでしょ、なんとかしなさいよ」
「いや、さすがに1000年以上のストーカー行為を止めるなんてオイラにはできないさ」
乾いた笑いがふんばり温泉に響いた。
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