226.自然界で広く成り立つ

少年は大きな瓶に詰まった灰を海に流しながら、歌っていた。少年の体はボロボロだった。みすぼらしい格好で、歩く度に血が滲み出た。それでも機嫌よさそうに、空になったの底をポンポンと叩いていた。


少年の手には斧があった。その足元には大きな石ころがあった。少年は割った。割り続けた。破片が、手に足に顔に腕に目に突きささろうとも割り続けた。


悲しいことがあれば母さんが慰めてくれた。楽しいことがあれば母さんが喜んでくれた。けど、苦しいことがあった時には何にもしてくれなかった。母さんは僕がどうでもいいんだ。


少年と瓶はいつも一緒。あと、新しい優しい母さん。



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