224.君への愛がエネルギー/オリバー


「マスター、僕を見て?」
「いや、オリバー。私そろそろ仕事あるからね? お土産にデザート買ってくるからいいこにしてるんだよ」
「マスター、つれてって」
「それは無理なお願いだな〜。今度の休みに服を見に行こうか」
「本当!?」
「うん約束。だからいってきます」
「あ…マスター行っちゃった」

今日もお留守番か。マスターは現実の人間で、僕はあっちの人間だから仕方ないけどやっぱり寂しいなあ。でもお休みには必ずどこか連れて行ってくれるし…申し分ないマスターです。

今日はビブラートの練習を徹底しようかな。マスターの電子ピアノは結構いい値段したって言ってたから、音もそこそこ。田舎だからご近所さんにも聞こえないだろうし。

あーあ、マスターの作った曲歌いたいなあ。マスター音楽知識はそこそこあるのに、ペンをもたせると止まっちゃうんだもん。無理させたくないから僕はずっと待ってるつもりだけど。でも、マスターが突然居なくなったりしたら僕は浮かばれないなあ。なんて縁起でもないこと言ったりして。

でもでも一番縁起でもないのは!マスターが現実の男と結婚しちゃうこと。それは嫌だな〜。僕はマスターだけのものだから、マスターも僕だけの…ってさすがにおこがましいか。現実はうまくいかない。やだなあ、はあ。

あ、ビブラートの練習しよう。それでマスターびっくりさせるの。マスター、僕頑張るよ。


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あきゅろす。
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