225.君の未来もらいます/無双/半兵衛

「半兵衛殿のばかぁ」
「な、どうしたの姫様」
「半兵衛殿が私を置いて行くから…敵将が私の、私の…お守りびりびりにしちゃったんだから!」
「つまり?」
「服破けて怖かったよ…そのまま襲われちゃうかと思った」
「そいつなら俺が撃破しといたからもう大丈夫だよ」
「ほんと?」
「本当本当。俺がユーリに嘘ついたことありましたっけ?」
「……いっぱい」
「やだな、それは優しい嘘でしょ」
「でも嘘は嘘だもん」
「あれー、姫様はいつからそんな聞き分けない子になったのかな?」
「お蘭が嘘に優しいはあり得ませんって。信長様だけが真実ですって」
「あの餓鬼…」
「え? 半兵衛もお蘭と同じくらいじゃないの?」
「なわけないでしょ。だって俺、官兵衛殿より年上ですよ?」
「え、えええええ!? 私より上ってこと?」
「うん、まあ、齢十くらいは違うかな」
「嘘、素敵…」
「嘘は言わないって…え? 姫今なんて言った?」
「素敵って言ったの。私、半兵衛殿と一緒になりたい」
「それはまた急に」
「だって半兵衛殿、てっきり子供かと思ってたから、恋しちゃ駄目だと思ってずっと我慢してたんだもん」
「初耳なんですけど、俺」
「だって初めて人前で言ったもの。あの…半兵衛殿さえよければ、私、父上にお願いして…」
「どうしよっかなー」
「半兵衛殿…」
「わっ、泣き虫だなーユーリ殿は! そんなんじゃ貰い手つかないよ?」
「そうですよね、私なんて…」
「ほらほら泣き止んで。っていうかまさかだよね。天才の俺でもびっくり。ユーリ殿は面白いな〜」
「だって、半兵衛殿がそんな容姿だからずっと混乱してて、男っぽ
いなとか大人っぽいなとか色っぽいなとか思ったら変だと思われるようで」
「俺のこと色っぽいって思ったんですか? へー」
「わ、忘れてください。口からついでた言の葉です」
「ヤダね、俺は忘れない」
「でも! でも…!」
「いいよ、姫の面倒俺が一生かけて見てあげますよ」
「えっ」
「ただーーーし、条件が二つ。俺が死んでもユーリは生きて、そんで俺が死ぬ時は隣にいて」
「どういうことですか?」
「そのまんまですよ。約束できる?」
「はい。約束いたします。半兵衛殿と私の間を死が別つまで…」
「いいこだ。さすが俺の姫。さっそくお父上に報告しにいこう」
「はい!」


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