210.先生、その顔エロい/無双/竹中
「なに食べてるの、ユーリ」
「薄皮饅頭です」
良く日の当たる縁側で休憩していると、諮ったかのように半兵衛が来た。当たり前のように隣に座り、これまた当たり前のように菓子を頬張る。
「んー、これ美味しいね! この間元就公からもらった辛いやつとは大違い!」
「半兵衛は甘いもの好きですもんね」
横目で見ながら、ため息をつく。すると立ち上がって腕を組み、こちらを睨んでくる。
「今俺のこと子供扱いした?女扱いした?」
「甘いもの同義で女子供って出てくる貴方じゃないですよね。別に半兵衛らしいなあって言っただけです」
「ふーん。だってユーリさ。俺の年齢たまに忘れるでしょ? この間なんか俺に花冠渡そうとしたし」
「愛情表現ですよ、どう考えても」
お茶をすすると、半兵衛はどかっと横に座った。
「ユーリってば俺のことわかってないなー。俺は夜の愛情表現がいいんだけど」
「お月様の冠は無理です」
「そう?」
冗談ぽく笑っているが、真剣だ。半兵衛の頭が自分の体に寄りかかってくる。女子供扱いするなというくせに、可愛さ全開で責めてくるから卑怯極まりない。
「座敷の半兵衛は鬼畜なので遠慮したいなあ。次の日任務だって言ったのに、容赦なかったですもん…」
「それだれ?俺?」
「ええ。なので愛情表現は朝だけにします」
「えー、なにそれつまんなーい。俺は昼のユーリとも夜のユーリとも遊びたいんだけど」
そういってまた薄皮饅頭を食べた半兵衛はいつもの人当たりの良さそうな表情で言っていた。こっちが内心ドキドキしてるのも知らずに。
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