218.君への愛が燃えた日/夏目

幼い頃から妖が見えた。それをずっと隠していた。親にも言わず、友達にも言わず、誰にも言わず。だってこれはキミノワルイコトイケナイコト。学習という名の抑制を積み重ねてきて、いつのまにか人にも妖にも心を開かなくなった。

でもそれも今日で終わりかもしれない。彼が、妖と人をつなぐ彼が私の世界を変えてくれるかもしれない。ちょっとくらい信じてみてもいいかもしれない。

彼にあったらなんて自己紹介しよう。初めましてユーリです。妖怪が見えるもの同士仲良くしようね。いやいや、妖怪が見えるのは大前提だけど、彼がいいのだ。彼でないと、ダメなのだ。妖が見えるの同士で慣れ合おうなんて思わない。ではなぜ彼がいいのだろうか。なぜ、夏目くんが…。

ああ、そうか。私は彼に惚れているのだった。とんだ間抜けだ。彼に近付きたい。



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あきゅろす。
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