16.世の中不公平だけど仕方ない/FF13/ライトニング・ホープ
ラスボスを倒す直前のおはなし。
「これで、やっとコクーンを守れるんですね」
「ああ……ユーリ、どうした? 暗い顔をしているぞ」
「ライト、私の使命はね、コクーンに危機をもたらすルシを破壊することなんだ」
「……なんですかそれ」
「ユーリ、なぜ今まで黙っていた」
「好機を伺ってたの、なんて言えたら格好いいんだけど……皆と一緒にいたかったんだ」
「じゃあ、」
「使命を果たせないルシは、シ骸になっちゃうの。ここで貴方達を殺さなきゃ、私死んじゃうの。いつかホープに言ってたみたいに、本当よ」
「そんなことを聞きたいんじゃない! 私は何故一人で背負っていたのか訊いているんだ!」
「ほら、その顔。ライトニングとホープにその顔をさせたくなかったから、ね。せっかく二人とも綺麗な顔をしてるんだから、もったいないと思ったの」
「そんな下らない理由で、お前は!」
「怒らないでよ、ライト。ホープはホープで泣かないの。私はこれでいいんだから」
「ちっともよくないですよ……ユーリさんは勝手過ぎます」
「はは、今更」
「……私たちが生きている限り、ユーリはシ骸になる他ないのか」
「うん、冥碑は嫌だからね」
「ユーリさん!」
「なあに」
「他の方法を考えましょう! 仲間を手にかけるなんて、僕にはできません」
「……大好きだよ、ホープ、ライト。貴方たちは幸せになって」
もう僅かしかない私の幸せを、親愛なる友へ
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