10.すくい上げたのは、/hackS/司
 

此処は『The World』内。
司はユーリを探しに、ダンジョン最深部まで来ていた。


「あ、ユーリ。やっと見つけた。そんなところでなにしてたの?」

「宝探しだよ」

「でも、そこにある宝箱開けてないじゃん」

「だってこれはお宝じゃないからな。困った、俺の宝が一向に見つからない」

「ねえ、どんなもの? 僕、よかったら手伝うよ」

「あはは、リアルの課題だからな。司に手伝ってもらうわけにはいかないだろ……ありがと」

「リアルの課題?」

「あ、野暮だったな。まあそういうことだから暫くは一緒に遊べないよ」


司はユーリの腕をギュッと掴んだ。


「……リアルのでも手伝うよ。ユーリが嫌じゃなければ、の話だけど」

「誰が嫌なもんか」

「えへへ、よかった。じゃあ、ユーリの家、何処?」

「!?」

「だって、遊びに……じゃなかった、お手伝いしにいきたいから、駄目?」

「……まあ、司と付き合い長いし一回くらいオフ会してもいいよな、うん」

「なに一人で話してるの」

「んーん、じゃあ連絡先はメールで送るから後で確認しておけよ」

「うん!」




災い転じて福と成す!
(宝物は身近にあるものです)

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