11.君の手にナイフ/鋼錬/エンヴィー
「ねえ、エンヴィー母親って怖いのよ」
「へえ、鋼のおチビのところは確かに怖いね」
「子どもをとられまいとして、食べちゃうんだって」
「あはっ、それじゃまるでグラトニーだね……そういうユーリはどうなの?」
「まだ産んでないから分からない、けど、きっとそうね」
「いつ産まれるの」
「賢者の石が完成したら」
「相手は?」
「んー、決めてないなあ」
「じゃあボクにしなよ、大切にしてあげるよ?」
「笑いながら言われたって説得力ないって」
「鋼のおチビさんに変身して言ってあげようか」
「……うっわ、それヤだわ」
「そんでその姿のまま、ユーリの喉を切ってあげるよ、アイシテルって囁いてね」
「エンヴィーって意地悪ね」
「意地悪じゃなくて、おチビさんに嫉妬してるの」
「……」
「ズルいよね、エドワード・エルリック。優秀でお父様にもユーリにも愛されてて」
「私は愛してなんかいないわ」
「ボクはそういう感情はすぐわかるんだ。嘘つきの悪い子には喉を切って喋れないようにしちゃうよ」
「……楽しそうね」
「あったりまえじゃん!」
そんな君の手が一番血でぬれていて汚いのに、
[*前へ][次へ#]
[戻る]
無料HPエムペ!