09.ビタースイートルーム/hackS/司


「や、あのさ、いったいどうしてこんな状況になったの」


The World内で司に招待された部屋は、ところどころ破壊されたあとがある。


「ごめん」

「ハッキング失敗したの? 進数があっちこっちに……」

「ごめん」

「いや司が悪いわけじゃないんだから謝るなよ」

「ごめん」


しょうがないので司をギュッと抱き締める


「よしよし、なんか怖いことでもあったのか。おにーさんでよかったらおはなし聞いてあげよう」

「大丈夫、ごめん」

「もー、お前よくわかんないけど可愛いな」

「……ユーリ、変だよ」

「おっ、やっと謝らなくなったか。ちなみに変じゃねーよ、純粋なの」

「そういうことにしといてあげるよ」

「あんまり落ち込んでるとおにーさんが司ん家に遊びに行っちゃうよ?」

「僕ん家よりユーリの家がいいな」

「そうだよなー、誕生日会ネトゲでやらなくたって、俺が司を迎えに行けばいいんだし」

「……やっぱりバレてた」


司が俺の服をギュッと握る。お気に召さなかったらしい。


「この俺を祝ってくれるなんて、司くらいしか考え付かねえよ」

「……楚良」

「ゲッ、この部屋もしかして楚良っちがやったのか」


司は頷く


「あいつブッ殺す! 俺の可愛い司がせっかく用意してくれた部屋を……はっ! 司怪我はないのか、大丈夫か」

「くすくす」

「わ、笑うなよ。人がせっかく心配してやってんのに」

「んー、ごめん」

「や、別に謝ってほしいわけじゃないんだが」

「ぐちゃぐちゃの部屋だけど、ケーキ持ってきたから食べよう」

「食べよったって、データだろうが」

「気持ちが大事でしょ、場所もおんなじだと思うな」

「ま、司さえいりゃ天国だな」

「なっ……!」

「あはは〜」



マジです

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あきゅろす。
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