221.君がいなくちゃ、明日も見えない/TOA/被イオ

写真を一枚手に撮った。聖堂で三人仲良く並んでいる。ステンドグラスがキラキラしていて、綺麗だ。これは確か謁見が終わった後、これは我儘で行った公園。これは、これは。

優しく笑ってみようと思った。いい思い出だったと、笑って言おうと思った。けど無理だった。衝動的に写真を破った。憎くてしようがなかった。

私がこの人を恨むのは、この人がここに居ないからだ。嫌いだからじゃない。そう自分で思って、涙が流れてきた。私がこの人を恨むのは、私を一人にしたからだ。


「あいたいよ、イオン」



君を思い出そうとして、


[*前へ][次へ#]

21/85ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!