245.ひどく遠い明日/TOA/シンク
タルタロス
「魔物退治の任務にアンタがついて来たいなんて言い出すと思わなかったよ」
「あー、いま無性に殺したい気分なの」
「ふん、邪魔にならないならいいよ」
「強制的に取りこまされたとは言え、第七音譜術士ですから自力でなんでもできますよ」
平原
「今日の標的はウルフだ。好きなだけ狩るがいいさ。全員持ち場につけ！！」
「じゃ、わたしも……っと！」
「アンタは僕の支援」
「えー、シンク強いからそんなことする必要全然ないって！」
「いいからこい」
「ちっ」
対モンスター
「クロア リョ クロア ネゥ トゥエ レィ クロア リョ ズェ レィ ヴァ…」
「高度な譜歌なんて使ってるともたないんじゃない？ 」
「いいのいいの。ジャッジメント！！」
「面倒見ないからね」
「けっこーよ (リョ レィ クロア リョ ズェ レィ ヴァ ズェ レィ)」
「ふっ、はっ、てい！ 臥龍空破！！」
「リザレクショ、たっ！」
「ユーリ！」
「ウルフめ、死ぬがいい！ サンダーブレード！！」
「……ユーリ、もう敵はいないよ」
「はあはあ……そう、少し熱くなり過ぎたわ。ファーストエイド」
「僕の回復はいい。アンタはさっきから何をそんなに焦っている？」
「ただ殺したい気分なの」
「理由もなしに？」
「シンクが突っかかってくるなんて珍しいこともあるのね」
「一応、アンタは僕の補佐だからね。とりあえず切り上げよう、ここで立ち話もなんだろう」
タルタロス 別室
「イオンの中にあの人の影を感じたの。本来ならあり得ないと思うわ、だけど……」
「あいつならやりかねないだろうね」
「ローレライを平伏してイオンに寄生するくらい訳無いと思うの。で、悩んでたんだけど」
「ああ」
「預言を壊すのやめようと思って。私はオリジナルの為に預言を壊そうとしていたの。でも、イオンが生きてるなら……」
「本当、アンタはオリジナルばっかりだ」
「あは、自分でもそう思う。けど、しょうがない。命の恩人で、私の存在意義だもん」
「意義がないとアンタは生きて行けないの？ 僕に言ったくせに」
「世界が預言に縛られてるように、私はイオンに縛られてるのかな。まるでそんな感じ」
「ふーん」
「だから、一緒に普通に暮らさない？」
「……初めてまともなプロポーズしたね」
「ああ、そっか、いつもふざけてたからね。でも結構本気だよ？ 」
「そうだね。僕が一番欲しかった"当たり前"をアンタがくれるっていうなら考えないこともないよ、けど」
「けど？」
「この憎悪はどこにぶつければいい？」
「オリジナルに」
「ふっ、大概いい性格してるよ。客観視しすぎで嫌になるくらい」
「じゃ、あとはレプリカイオンの様子を見て連れ出して、アニスの両親の解放して、借金は私達で返そうか」
「モースを殺したほうが早いんじゃない？」
「じゃあ私はアッシュレプリカに接触すればいいわけか。念のため、預言の読み方教えてもらえる？ 酷なのは分かってるけど」
「アンタのお守りよりはずっとましさ」
「そうね、じゃあお願いしようかしら」
世界革命の始まり！
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