06.捧げましょう、この身の全てを/FF13/ホープ

大平原で休息中。メンバーは経験値稼ぎにお出掛け中。二人で並んで佇んでます。



「……ね、ホープ、いつも回復ありがとうね」

「きゅ、急になんですか」

「や、ちょっと今までの行動を振り替えってたから、駄目だった?」

「駄目もなにも……ユーリさんはいつも僕を庇ってくれるから、寧ろ感謝してます」

「あら、私が好きで盾になってるんだから、感謝なんてしなくていいよ」

「そっちこそ駄目です! 僕の代わりに傷ついてるのに」

「よしよし、ホープは真面目さんだなあ」

「もー、子ども扱いしないでくださいよ……せっかくちゃんと答えてるんですから」

「あはは、ごめんごめん」

「誠意が感じられません」

「……そっかー、ホープに感謝されないくらい強くならなきゃいけないってことか」

「どうしてそうなるんですか」

「感謝の裏には罪悪感が少なくともあるでしょ、ホープの性格なら尚更ね」

「……確かにそうですけど、だからってなんで」

「ホープが私を回復するごとに、私とホープの距離が開くならお話にならないなと思って」

「開きませんよ、仲間を労るのは当然です」

「……んじゃ、ずっと私がホープを守るよ。そんで、ホープの代わりに私が死ぬよ」

「……」

「あれ? 言い過ぎた?」

「ユーリさんが……僕の、代わりに」

「おーい、ホープ、戻ってこーい」

「……めです、それは絶対駄目ですっ!」

「ちょ、肩痛い」

「あっ、す、すみません……でもユーリさんが突然死ぬなんて言うから悪いんですよ」

「ふーん、そんなに私に先に死なれるのが嫌?」

「当たり前です! 僕の為になんて、絶対……絶対駄目です」

「じゃあ、ファルシの為に死ぬかー」

「……ユーリさんって、意地悪ですよね」

「そうかな? ただ私は、ホープがよく言う、当然とか当たり前とかそういう一部になりたいだけなんだけど」

「? 意味が、よく……」

「回復してもらいたくて守ってるわけじゃない。回復ならポーションの類いを使えばいいし、ね」

「それは僕がいらないってことですか」

「違う違う、守られて当たり前だと思ってってこと」

「僕が子どもだから……」

「ホープのことが好きだから」

「!? ……い、今の言い方だと誤解しますよっ!」

「していいよ、そーいうことなんだから」

「そーいうことって、え……」

「絶望の端にいるルシが、希望を愛するのは当然でしょ」

「ユーリさん……」

「そして、その希望を守るのは私のただの我が儘。だから、ホープは罪悪感なんて持たなくていいんだよ」

「それって、つまり……」

「希望への愛の告白」



イエスでもノーでも他の何かでも、私の身は希望に捧げましょう

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あきゅろす。
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