03.晴れた日には出かけよう、雨なら眠ろう/hackS/司
要知識→PC名司、本名荘司杏で中学生。ユーリは大学生。ゲーム内で知り合った二人は、リアルで逢うほど仲良し。
今日は二人でショッピングだったが、外は雨。杏は雨道は歩くのが面倒くさいとユーリの家へ上がり込んだ。
「で、杏はどうして私にべったりなのかな?」
部屋にあるベッドの上で、体育座りをしているユーリに乗り掛かっている杏。
「ユーリの家が寒いから……いいでしょ、別に」
「……はあ、私、男じゃなくてよかったね。確実に犯罪者になってるよ」
「なんで?」
「男だったら襲ってたわ、このやろう」
ユーリは杏を優しく抱き締めた。
「僕を襲うの?」
「うん、駄目でしょ。私たち女同士だし」
「あれ、でもこの間ニュース見てたけど……娘に母親が暴行を加えてたらしいよ」
杏はきょとんとした顔でユーリを見る。
「私が杏に暴行を振るうと思ってるの!?」
「思ってないよ、けど襲うっていうから」
「……はあ、言い換えさせてもらいます」
「うん?」
「杏が可愛いから、キスしてしまいたくなるんです!」
「なに、そんなこと」
「まあ、そんなとこです。もしかしなくとも引いた?」
「ユーリにならなにされたって平気だよ、どうぞ」
硬直するユーリ。目を瞑る杏。
「お、恐るべし天然……」
「あれ、しないの?」
杏は目を開く。
「僕は天然じゃないよ、ユーリのほうがよっぽど……」
「くっそー、私のどこが天然だと!? マジで襲うぞ、馬鹿野郎ー!」
「ん? だから、どうぞ」
杏はぎゅっとユーリに抱きつく。
「えっと、じゃあ失礼します」
「……」
「……」
「……ユーリの意気地なし」
「さ、さあ今日はもう寝ようかな!」
ユーリは杏をパッと離して、ベッドに潜り込んだ。
「ほら、ユーリのほうが天然じゃん」
「純情っていってくれ!」
「はいはい」
今は添い寝で我慢してあげるよ、ね?
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