ちょっとだけ続きのお話
「ところでおまえ、かえらなくてもいいのか?」
「にゃっ、そうでした。」

盛にゃんに言われて、淮にゃんは自分がお使い帰りの途中であった事を思い出した模様。
握り締めたままの、おさかなアップリケなエコバックをちらり。

「すっかり、はなしこんでしまいましたよ。」
「何だ、帰るのか?」
「ちょーこーどのが、まっていますからね。」

賀斉に返事をしながら淮にゃんは立ち上がると、膝に付いた雪をぱたぱたと払い落とす。
きゅ、と。
エコバックを握り直して。

「それじゃ、みなさん…またこんど、ですにゃ。」
「おう、じゃーな。」
「…ふん…また、な。」
「待ってるからなー!」

三者三様の見送り方に、淮にゃんは二度三度と手を振って返し。
帰路に向き直ると、さくさく雪を踏み拉いて。


早く、帰らなきゃ。ね。


―――…

かちゃかちゃ…ぱたん。

「ただいまですにゃ、ちょーこーどの。」
「……随分と帰りが遅かったな、寄り道でもしていたか?」
「にゃ、え、え〜とですねえ…」

出迎えてくれた張コウは、本日のお茶菓子を作っていた様子。
開口一番、ズバリと遅くなった核心を突かれてしまい。
とはいえ、そうそう悪い事をしていた訳ではないのだが…淮にゃんは、少々焦りを覚えて口籠もる。

「…まあ、多少は構わぬがな…無事に帰れば、それで良い。」

くしゃくしゃ。

「にゃ…」

恐る恐る上目に張コウの顔を伺い見れば、柔らかに笑みを湛えながら頭を撫でてくれている。
其処には、安堵、も。

「…雪で身体が冷えただろう、ココアを飲むか?」
「…おねがいしますにゃ。」

にこ、と。
ごめんなさい、や。
だいじょうぶ、を。

一杯に詰めたせいいっぱいの笑顔を、猫は貴方に返してみせた。



ホイップしたての生クリームを乗せた、あったかココア。
猫の舌には、まだ熱くて。
ふうふうと冷ましながら、生クリームがとろとろと混ざり溶けるを貴方の膝の上でじっと見る。



ただいま、って。言えるのは。
こんなにも、あったかい。ね。

■終劇■

◆纏めて此方で反省会(苦笑)
賀斉が、思った以上に自分の中で萌えオッサンであるとか。
軍師郭嘉はこの路線のままでいいのか、とか。
色々有りますけれど。
まずペース配分をもうちょっと考えようや自分orz
全角5000字が、ひとつ「小噺」という形を取る中で1頁の区切りだと思ってやってきたのですが…今回は本当にギリで(汗)
前半と後半で描写分量がめためたで御座いました…

なのに、暖かいコメを戴いて申し訳無いやら有り難いやら。
ありがとう御座います(*;ω;)
もっと精進します…何時まで経っても未熟でありますぞう…

2009/03/10 了



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