A
もうひとり。
後孔と咥内を先取られて、自身をホウ統に扱かせていた男が交代を迫る。

「…っと、その前に…!」
「……!」

びゅく、びゅるるっ…!…びゅる、る……
ぱたぱたっ…ぱた、っ…にちゅ…っ…

扱いていた掌の中の自身が、一際に脈打つと同時。
未だ髪を掴み上げていた男がホウ統の顔をそちらへと向けさせ、目掛けて大量の白濁が注がれる。
にちゅにちゅと水音を立てて先端を顔に、胸板に擦り付け。
徐々に、どろりとした塊ともつかぬ粘質がホウ統の身体を這い落ちて。


―――まるで。


「…さあて、次は口で―――」
「ちょっと待てよ。」

一度吐精したにも関わらず、硬度を保つ欲の塊を。
いよいよ口へと捻じ込もうとした段になり、ホウ統を下より犯していた男が口を挟む。

「……何だよ?」
「この体勢じゃ、犯し甲斐が無えんだよ。」

明らかに不機嫌な返答をする男をなだめて、身体を起こすと。
力無く揺れるホウ統の身体から自身を引き抜き、床へとうつ伏せに押し倒して圧し掛かり。

「やっぱり、こうじゃねえと…なっ!」

ずっ…ちゅ…ぐぷ、ずっ…!

「ヒッ、ぁ…待っ…あ、ァっ…!ハ、ァっ…あッ…アァっ…!」

否を見せるのは本音であるか、煽る為であるか。
そうする事で。
躊躇無く再奥まで突き入れられ、後背より獣の如く律動を繰り返される。

じゅ、ぷっ…ずちゅ、ぐちゅっ…じゅぶっ…!

「ふ、ゥあっ…あっ、ハっ…!…ヒ、ぅっ…あ、あゥ…っ…!」

両の手を付き、揺らされる度にぱたぱたとホウ統の身体に纏わり付いた白濁が床へと撒き落ちて。


はらはらり、と。



―――まるで、産毛の白羽が散りもがれる様に。



「……ン、ぐ…っぅ……!」

喘いだ顎を掴まれ、咥内に侵入する熱塊。
捻じ込まれるそれは、交互に。
先走りとも精ともつかず混じる欲が、口端を濡らし続け。

じゅぽっ…じゅぷ、ぢゅ…っ…
ぐぷっ…ずっ、ずちゅっ…!…ドク…ッ…!


「―――ッ…!」

内を犯す熱塊が一際に跳ねた脈動をホウ統は覚え、射精の近さを悟る。
それでも、誰ひとりとして身体を離す者は無く。


捕らえられた、ままに。


びゅく、るっ…!るる…っ…
びるっ…びゅる、びゅくっ……ぱた、ぱたっ…

「…ッふ、ぅ……あ、ァ……」

後孔へ、口腔へ、注がれる欲情をホウ統はその身から溢れ出るほどに総てを受け入れ。
用を成し終えた男達は、ずるりと自身を引き抜く。
支えを失う身体は、積もる白羽の床に倒れ込んで。



―――けれど、其処にはひとつも自分のものは無いのだ、と。



刻の仕舞いを告げる鈴音を聞きながら。
ホウ統は、茫洋とも亡羊とも巡らす意識を薄闇の中へ手放した。



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