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窓の隙より零れ落ちる月光は幽か。
しかし、ほの明かりの中で篭る熱は発散を覚えず。
幽か故に、尖る感覚は互いを映え晒して。



蠢くひとつひとつが。
色の足りない筈の世界で、豊かに。

艶めく。



―――そうして。



「…っ、う…ちょう、こ…う、どの…」

伸ばす腕が。
絡み寄せる脚が。


魅せる、その肢体が。


「……ん、んっ……!……っ、あぁっ…!」

堪えようとする意が。
素直に漏らす意が。


表れる、その声が。



嗚呼。
やはりこれは―――天性の猫なのだ、と。



見下ろす瞳には確信を秘めて。
またひとつ、張コウは愛しきいきものへと落とす様に口唇を寄せる。

「…ん…っ…」

愛撫を繰り返され、最も解されたのは意志か。
従順に応える郭淮の口唇は薄く誘い開いて、張コウの侵入を待つ。
その様子に張コウが覚えるのは、尽きぬ愛しさと。


満たされる、所有の欲。


「…夜は、増して愛い猫なものだな…」
「…っ…また、俺を猫扱いするんですから。もう。」

待ち望んだ侵入は無く、軽く口唇を離されて囁かれた言に郭淮は不服そうな声を漏らした。
しかしその中には、少しの焦れを含んで。

「ふ…望めども…その口は相変わらず、か。」
「…何がですか。」
「それを塞ぐ事は容易い。…だが。」
「…っ、あ…ふぅっ…!ちょうこ、う、どの…っ!」



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