0630/侠者×天人模索改3本
侠者×天人の模索中@

"俺の事を好きだと言う"
"そんな、元直の事が好きだよ"

「…他の言い方は無いのか?」
「元直をどう想っているのか…それを問われたのだから、心のままに本心を告げたつもりだが。」
「ああ、そうなんだろうが…それだったら、だ。」
「何かね?」
「"好きだ"と言われれば、誰でも構わないのか。って事だ。」
「…その様に捉えるのは勝手だがな。良いじゃないか、今、俺の事を好きだ等と言う物好きは元直くらいなのだからね。」
「物好…あのな、俺がどうのというよりも、だ。自分をそんな言い方で表すものじゃねえ。」
「俺が変り者なのは本当の事だろう。お前は物好き、だよ。」
「…そんな事は、無い。だから、俺は―――お前が何時か…」

…ふう。

「…ッ、な、何だ。」
「…俺は天下の道を指し示す事は可能だが、恋路の筋は専門外。流石に面倒を見切れんのだが。」
「そっ、それは言われんでも…」
「つまり。」
「…何だと言うんだ。」
「俺の恋路もまた、霧に隠れて見えぬまま。ならば元直が示すに従うも、道。…違うかね?」
「…俺、が…?」
「だから、な。」



―――元直は誰よりも、俺を愛してくれれば良いんだよ。
俺は、その道に。
準ずる心を持っている、と。
先程からそう言っているんだ。



「……回りくどい。」
「ふふ、それは悪かったな…何分、不明なものでね。」
「じゃあ、ほら、手を貸せよ。」
「こうかな?」

きゅ…っ…

「…出来るだけ…道に迷わないようには、善処する。」
「…それは…大変良い心掛けだ。期待、しているよ…元直。」



…しかし、手、ちっちゃいな。

そうかね?元直が大きいだけだと思うが…ね。

***

侠者×天人の模索中A

じーっ…

「…何だ?」
「…いや、お前…その。」
「はっきり言ってはどうかね。」
「…かっ…片足を組むと、お前…太股まで見えてるよ、な…?」
「太股?…まあ、そうだな。多少は見えるかもしれないがね。」
「そうだな、ってお前…それじゃ、その"下"ってのは…」
「履いてないが。見るかね?」
「ぶっふ!?いっ、いや、い、いい!…い…いい…」
「(…耳まで真っ赤…ふふ…)」
「わ、悪い、酒!」
「全く、こんな冗談に引っ掛かるものかね…履いているよ。」
「え、あ、履い…」
「ホラ。」

ちらり。

「ぶふぅッ?!」
「ちょっ、おいっ!?鼻血って!」
「……す、すまん……」
「ふふ、全く…ナリに見合わず可愛らしいな元直は。」
「わ、悪かったな…」
「悪い、等と。そんな元直が良いと思うがね…ふふっ。」

◆…スパッツ的なモノを履いている、という事で良いのかな。
天人さんのタペストリーをガン見してきたのですが(…)

***

侠者×天人の模索中B

「おい!孔明、居るか?」

どたどたどたッ!
…バサッ、バサドサッ!

「…元直…折角、片付けた書が崩れるので静かに入って下さい。」
「あ、ああ悪い。」
「…全く、そんな所に立っていないで座っては如何です。」
「うむ。」

どすんっ。
…ドサドサッ!

「……げ・ん・ちょ・く……」
「すっ、すまん孔明!後で俺が片付けるッ!」
「…はあ…結構です。それよりも一体、何だというのですか。どうせ士元の事でしょうけれど。」
「う…まっ、まあな…」
「やれやれ…それで?私に何をどうしろというのです。」
「いや、その…士元の好物を知らんかと思ってな…」
「あの人は、お酒をあげておけば喜ぶじゃないですか。」
「それは俺はもとより誰でも知っている好物だろ、そうじゃなくてだなァ…わっ、分かるだろ!俺の言いたい事は大体!」

…ふぅっ。

「本当に、面倒な人ですね。」
「し…仕方がないだろう…こういう事は俺よりも孔明の方が長けていると思って、こうして…」
「生憎と、それは見当違いというものです元直。私はまず、その様な読みを用いようというつもりが有りませんからね。」
「……そうか……」

しょんぼり。

「(…この人は全く…)」
「…邪魔したな。書物…本当に片付け直さなくてもいいのか?」
「ええ、そのままで。…それと、確実な事ではないので私自身の意には反しますが―――ひとつだけ、助言して差し上げますよ。」
「えっ?」


―――…

「士元!」
「おや、どうかしたかね?」
「その…焼き菓子を作ったんだが、お前…も…食べない、か?」
「焼き菓子?」
「ああ、そら。」

じゃー…ん…?

「…成る程、皆さんへのお茶うけ用に作ったのかね。」
「えっ?あ、いや、確かに来る途中で殿や女性陣に見つかって断りきれずに分けたりはしたが…」
「俺も食べて構わないのなら、ひとつ貰うよ元直。」
「ひ、ひとつというかだな……そ、そうだな……ホラ、食えよ。」
「じゃあ、いただきます。」

はむっ。
…もぐもぐ…

「…元直…この、中の黄色い餡は何で出来ているのかな?」
「そいつか?…南蛮の果物でな、こっちでは"鳳梨"だそうだ。」
「…"鳳梨"?」
「ああ。だから、ホラ…お前の…道号と同じで"鳳"が付いているからよ…縁起が良いかと、な。」
「…俺の道号…」

はむり。
…もぐもぐもぐ…

……"俺"の。


嗚呼―――なんだ。
全く、お前も俺も不器用だ。
この鳳梨の様に、甘酸っぱい気持ちにさせられる。


「…ありがとう元直。これは―――"俺の為に"、なのだな。」
「あ…ああ。迷惑…か?」
「ふふ、とんでもない。元直の心遣い、とても嬉しいとも…」



"貴方が、誰の為に。"

まず大切なのは。
それを伝える事ですよ。

◆鳳梨=パイナップル。
木鹿大王を倒すと極稀にドロップする事が出来るアイテム(嘘)
いや、パイナップルなのは本当なのですけれども。2の戦器ねたを今だに引っ張ってきたりして。
あ、でも戦器パイナップルの効果って最大兵力上昇と回復速度上昇だったよね?成る程、だから天人さんは大軍持ちなのか(違)
侠者庶っちが作ったのは、台湾銘菓の鳳梨酥イメージです。
パイナップルケーキ♪
広島は呉市の銘菓、鳳梨饅頭も良さそうだったのですが…色々見てると、鳳梨酥の方が美味しそうかなとか思ってしまったもので。

そしてワタクシ、コメさんの書き分けに関しては最初から諦め倒しておりますので(;´∀`)
お好きなコメさんでどぞ(苦笑)
まあ、レアリティと武将揃えで八卦さんかなとは思ってます。
南蛮伝での黒い八卦さんを僕は生涯忘れない(笑)
ちょいちょい、侠天には暗躍してくる…かも、しれない。



あきゅろす。
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