1226/雪の日逆境コンビ
「今朝は冷える筈だな、一晩で雪が積もったか。…積もったか…」
「うおーい!張コウ、張コウー!」
「(…やはり来たか…)そんなに急いで、どうした?高覧。」
「雪合戦しようぜえ!」
「……だと思ったがな。一応、期待したオレが間違えていたか…」
「何だよ、こんだけ積もってたらやるしかないだろ雪合戦!」
「ガキじゃあるまいし…雪が積もった程度で、はしゃぐ様な

バスッ!

「ぶふっ!」
「よっしゃー!命中ー!」
「おい!オレは雪合戦をやるとは一言も言ってないぞ!」
「雪合戦ったって戦は戦だぜえ!やらないなら張コウの敗けな!」
「こっ、この野郎……後悔するなよ高覧!」
「そうこなくっちゃだぜえ!」


―――…


ぜーはーぜーはー。

「…あー面白かったぜえ!身体もあったまったしな!」
「はぁ…はあっ……それで?」
「ん?」
「…勝敗は付いたのか、と聞いているんだ。」
「ん〜…ま、雪合戦の勝敗なんて有って無い様なもんじゃねえ?」
「な…!」
「ははは、何だよ。張コウの方が本気になってるじゃねえか。」
「う、ぐ…」
「さてと、次は何をすっかな!雪だるまを作るか、かまくらを作るか…迷うところだぜえ…」
「(…くそ…不覚だ…)」
「うーん。」

……もそもそ。
ぎゅ、ぎゅ。

「…しゃがみ込んで、何を作っているんだ高覧。」
「へへ、張コウを作ってみた♪」
「オレを?…って、どこがオレだ。雪うさ……うさぎ……か?」
「もふもふ同士だろ!」
「言いたい事は多々だが…何をどうしたら、こんな奇跡的な造形になるのだ…もう少し、こう…」

ぎゅむ、ぎゅ。

「おお、さっすが張コウ!うさぎだもんな!」
「…断言は止めろ断言は。…はあ…まったく…」
「なあ、張コウ!」
「今度は何だ。」
「うさぎは独りでほっとけねえよな。しょうがねえから、俺がずっと一緒に居てやるぜえ!」
「……なっ……いや、だから…オレはうさぎじゃねえ…」
「んだよ、嬉しいだろ!」
「うるせえ馬鹿野郎!」
「いよーし、次は雪だるま作ろうぜえ!俺が頭で張コウが胴体な!」
「何でオレがデカイ方を作らねばならんのだ!」
「競争だぜえー!」
「待たんか!この馬鹿野郎ー!」


春を迎えれば儚く失せる白。
しかし純真な白き想いは、融ける事無くこころの片隅に在りて。
―――何時までも、何時までも。

◆高覧たんはわん仔系だから、雪が積もるとテンション上がっちゃうんだろうなって思った(笑)
駄目だもう、もふもふさんがうさぎにしか思えない(…)



あきゅろす。
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