翼様からリクエスト
「嫉妬は自分で生まれて自分で育つ化け物でございますよ」
ー1564年〜1616年没
英国の劇作家・詩人 ウィリアム・シェイクスピアよりー
ステビア・マシュマロウ・
ナスタチウム・コリアンダー・カモミール・アニスヒソップ・コモンマロウ・ハイビスカス・チコリ・ハーツイーズー・・・・・・・・色とりどりのハーブを丁寧に籠に入れている少女は大神月華は私が可憐で美しい最愛の女性。
「あっ、クラウスさーん!!こっち、こっち!!!!」
「月華、好調かね?」
「はい、みんな綺麗咲いていてよかったです!!これだったら、華やかフラワーアイスキューブを作れそう、えへへへへ」
「そうか、私が育てた花が美しい氷になるのが楽しみだ」
「クラウスさん、大事なお花を採らせていただき有難うございます」
「構わない、この庭園は君と私が作り上げたようなものなのだから」
「そう言われると凄い恥ずかしい・・・・・私が育ているのは基本的には食べられたり、ハーブティーとか、香水とかになるようなもの育ているだけだし」
「その分、君の手料理やお茶を私へ還元してくれるならこれほど嬉しいことはない」
最愛の女性が育て上げた植物を自分の口に運び、それが生きる糧になる。私にとって喜ばしいことだ。と言うと私の胸をポカポカと叩く月華。
「何でそんな恥ずかしいこと言うですか!!」
「私は本心を言っただけなのだが・・・・・・・」
「この無自覚天然タラシ紳士!!少しキッチンを借りますね!!」
「月華!!」
月華は顔を真っ赤させてながら籠を持って、キッチンのほうに逃げてしまうとこの庭園には私とギルベルトだけだった。
「ギルベルト、私は月華に失礼な言葉を言ってしまったのだろうか?」
「ふふふふ、坊ちゃま。月華さんはただ照れているだけです、あの方は少し恥ずかしがり屋ところがありますからな」
ギルベルトの言葉でかつて、彼女が庭園で歌を歌っていた時、たまたま水やりに来た私はその歌声に酔いしれて聴き入れていた。彼女はその視線に気付き、真っ赤な顔で私を睨み、ポカポカと私の胸を殴る姿を不謹慎だが愛しく見えてしまい、抱き締めてしまったのを覚えている。
そして、彼女に思いを告げえ、心を通わせた時には歓喜に震えた。そして、彼女と共に過ごす時間が増え、幸せに満ちているはずが彼女の体を欲しいとこの身が浅ましく求めているがわかる。私は欲深く醜い男だと思い知らされつつ、彼女が来るのを待った。
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「あーーーーもーう、クラウスさんのばーかぁー!!
純情紳士!!人タラシィィィィ!!」
暴言を吐きながらもハーブや食用花を丁寧に洗う私は酷く滑稽に見えるけど、本当に恥ずかしいのだ。クラウスさんは包み隠さず私への思いを語り、何処かのお姫様のように大切にしてくれる彼が好きなのだがそれが上手く伝えられない私はクラウスさんを困らせてしまうのだ。
「・・・・・・・・もっと、素直になりたい」
得たいの知れない私を「好き」だと言ってくれた彼の前では素直になりたいのになれないと悩みながらも、手は止められない。なべ水を煮沸して冷却し、蒸留水を作っている。この工程はめんどくさいがメインの花を目立たせる為には仕方ない。そんな時にスティーブンさんがキッチンに入って来た。
「おっ、お嬢さん。何を作っているんだい?」
「へへへへ、よくぞ聞いてくれました!!夏にぴったりのフラワーアイスキューブです!」
「ああ、あれか。僕が通う店のサービスでレモン水にミント入り氷だったけど、これは随分華やかだな」
「緑もいいけど、それだけじゃあ淋しいでしょ?後で皆さんにお出ししますからね!」
「そう言っているけど、本当はクラウスの為にだろ?
」
スティーブンさんの言葉に動揺した私は第一段に作ったチコリとステビアの製氷器を床にぶちまけ 、更にはスティーブンさんを巻き込んで転倒した。私もだがびしょ濡れの伊達男がチコリとステビアで彩り豊かになっている
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁスティーブンさん、ゴメンいやごめんなさいぃぃぃぃぃぃぃ!!」
「いや、僕は大丈夫だけど・・・・・・・・眼福かな?」
「えっ・・・・・・・あ」
今日は暑い日だったのでベストを着ず、白シャツ一枚は冷めた蒸留水を含んだ為に透けている。
「すすすすすすいません、貧相な体型を晒してしまって・・・・・・今、退きます退きます!!」
「いや、貧相じゃあないよ?」
スティーブンさんの手は私の顎を掴むとスティーブンさんの端正な顔との距離が縮まり、形のいい唇が動く。
「君は魅力的だよ、大人をその気にさせるには充分さ」
「・・・・スティーブンさん「月華!!どうしたのだね!?」
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私は月華の悲鳴を聞き、急いで駆けつけるとスティーブンと月華の会話が聞こえた。
「君は魅力的だよ、大人をその気にさせるには充分さ」
スティーブンの言葉を聞いた時、頭の中が真っ白になった。声をあげてしまい、月華を驚かせてしまったが彼女の姿を見た時に電流が走るような感覚が体を襲った。自分の着ていたウェストコートを脱ぎ彼女に被せると両手で彼女を抱える。
「えっ、あああああクラウスさーん?クラウスさーん!!」
慌てる月華に構わず、キッチンから離れ、自室へと向かう中、ギルベルトに彼女の着替えを頼むと自室の扉を開ける。そして、彼女をベットに寝かせるとキスをすると体からハーブの香りが漂う。それから、私は浮かされたように彼女の口内を舌で荒らす。逃げる小さな舌を捕らえると絡ませ、唾液を吸い取る。
しばらく、それを繰り返している内に月華は息上がっている。
「はっ・・・・・・・・すまない!!!!」
「はっ・・・んっ、ちょっと、待ってください」
口元に垂れた唾液を手で拭う彼女に見惚れていると私の体を抱き締める。
「クラウスさん、いきなりどうしたのですか?」
「月華・・・・君はスティーブンとよく話してないか?」
「はい、それはスティーブンさんは私の保護者ですからいろいろ話をしますよ。学校のこととか、面談とか、成績とか・・・・」
「スティーブンを・・・・頼りにしているのにはいいんだが・・・・君の恋人である私をもう少し頼って欲しい」
彼女は眼を丸くさせると笑った。その顔は何かを宝物を見つけた時のようなキラキラとした瞳で私を見ると私の目を合わせて彼女は言う。
「クラウスさん、スティーブンさんに嫉妬したの?」
「なぁ・・・・・・・・私はスティーブンにそのようなかんじ「嫉妬・し・て・た」・・・・・その通り、だ」
しどろもどろになっている私を月華は首に手を回しながら、彼女は何処か嬉しそうにみえる。
「確かにスティーブンさんに、私は甘えているけど・・・・・それはスティーブンさんが私のお父さんに似ているから、ついつい甘えちゃうんだよねー、それにスティーブンさんにクラウスさんの昔話を聞かせて貰えるし、私はスティーブンさんよりクラウスさんが好き!!クラウスさんは・・・・・・・・私だけの紳士だから、その二人っきりで話すとどうしても緊張して、天の邪鬼な態度になるけどそれは・・・・照れ隠しだから多目にみてください・・・・・・・・」
月華の長い独白を聞き、私は彼女への愛を再確認した。真っ白な肌は真っ赤なりんごように赤くなっている頬にキスをする。
黒髪に隠された耳元で祖国の言葉を囁く。
「・・・・・・・・Ich k?nnte dich nicht mehr liebe.(わたしはこれ以上ないほどにあなたを愛している)」
「そんな事を言われたら、私の全てをあげたくなるじゃあないですか・・・・・・・・」
その言葉を免罪符とし、彼女を求め、奪う行為を私に彼女は許し、受け入れる。
彼女を汚すことに悦びを感じている私はこの罪に溺れてゆく。
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翼様からリクエスト!
「クラウスさんが他の人と話す主人公に嫉妬からのR‐15」です。
あれ?ちょいエロがうまく表現出来たのだろうか・・・・・・・・?番頭は確信犯です、ギルベルトは、このあと赤飯を炊いてました。
翼様リクエスト、ありがとうございました!
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