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平行に進む二つの線


「パラレルワールドでも一緒にいたいね」

息をするくらい自然に言った。
今日なんかの本で読んだ。今生きているここ以外にも世界は存在していて、そこでは私達と同じ本質というか、魂というか、とにかくそういうものを持った人が全く違った生活をしているらしい。
まぁパラレルと言われるくらいだから、この世界と交わることは決してないのだろうけど。

「何言ってんでィ」

「本質的に愛してるって事」

「ヘェ」

あら、薄い反応。せっかく彼女が愛を告げているというのに、この男は。

「ねぇ、総悟はどうなの?」

「他の世界なんて興味ありやせん」

「そっか」

「俺ァ、」

そうだ、彼はこういう人だった。

「今、目の前にいる女に夢中なんでさァ」




俺は異次元なんてどうでもいい。

けど、もしそんな世界があるならば、

そこにいる俺にもきっとアンタしか見えてない。






あきゅろす。
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