凍えていたことさえ気付けずに無知で無力な僕は別れを告げた。心の底ではかじかむ手を離したくないと願っているくせに独占的で傲慢な僕は白い世界に置き去りにすることしか思いつかなかった。できることなら何があっても君の中に居座れるくらい消えない染みを残したかったけれど、震えているくせに抱き締めさせてもくれない君などもう僕の目に映す価値もない。何もかも消えてしまえばいい、思い出など要らない、積もる前に消えてなくなってしまえ。黒々しい跡ばかり残す白銀など今すぐこの世から剥奪したいくらい、大嫌いになった。
最期だとも知らずまるで音を奪うかのように二人だけだった今日は、終わった。それはそれは愛おしく柔らかく包み込んでいた雪もいつの間にか淡く、儚く。しんしん静かに積もるのはそれだけではなく、きっと心の中で。あんなことを言わせてしまうくらい追い詰めていたのは紛れも無く私だった。彼が望むが如くこの限りある世界はもう二度と視ることが叶わなくても、まっさらな闇にひとり閉ざされたとしても。私はきっと、忘れない。なかったことになどできない。雪はいつか溶けるけれど、溶けることなく在り続けるものも確かに、ここに。
こなゆきがくれたもの
１２月１日でこなゆきは１周年を迎えることができました、ありがとうございます！
こうして１年間続けることができたのも足を運んでくださる皆様のおかげです＾＾
さらにほぼ同時期に１万打を迎えましたので、併せて感謝記念とさせていただきます。本当に本当に、ありがとうございます。
そしてこれからもどうぞよろしくお願いいたします。
ここに置いてあるものも規約はまったく変わりませんので、お好きにお使いくださいませ。
081201 蒼
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