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決別出来ない過去


「コ・レ。もしかして探してたんじゃないかしら?」


(津の手には『個人データ』と書かれた本があった)



「それ、まさか…!涼のデータも載ってるのか!?」



「ええ…。貴女が探してる、彼の過去についてもばっちりとね」



「みっ、見せて…っ」



(薫の「見せてもらえないか?」に被せ)
「その前に一つ約束よ。……コレを見ても、今まで通りの態度で涼ちゃんと接すること。間違っても、涼ちゃんに過去を知ったなんてことは言っちゃダメ」



「……うん、分かった、約束する」



「半端ないから、色々覚悟しておきなさい。それでもいいなら、…はいコレ」



(それからしばらく、薫はデータを読む)
(津は静かにコーヒーを片手にそれを見守っていた)




「……………っ」



「…泣かないの。この場に貴女の涙は必要ないものだわ」
(少し厳しく)



「っ、津さんは、知ってたのか」



「ええ…。入隊した時からね」



「知ってて、涼にこんな仕事をやらせてたのか!?」
(怒る)



「下手な感情移入はいらないわ。これは彼が自分の意思でやっていること。それを他の価値観で測ろうとするのは間違ってる」



「…っ」


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あきゅろす。
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