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言えない理由U


「僕は、そんなことなど思っていない…っ!!!貴女を愚弄する気は毛頭ない!!ですが、誰にだって、言えないことの一つや二つ有るでしょう!!僕は…っ!!!」
(感情が爆発し、怒鳴る)



「っ、涼」
(突然の怒鳴り声に少々戸惑い)



「…っ、いきなり怒鳴ったりしてすみませんでした。僕もまだまだ修行が足りないようです」



「いや、こっちこそ。そうだよな、人に聞かれたくないことの一つや二つ…誰だってあるよな」



「…だからと言って余計な気遣いは無用ですよ。……さて、今度こそ帰りましょう」
(わざと軽く)



「…そうだな」



(それから何も言葉を交わさず本部へ帰還する二人)
(報告を終えた涼は自室へさっさと上がってしまった)
(薫は一人書庫に残る)




「…あいつ、何があったんだろ」


(言いつつ過去の事件が書かれた書物を探す)



「何で怒鳴りながら怯えてんだ…?」



『泣きそうな顔をして怒るヤツなんて、初めて見た…。あいつは…涼は、自分がそんな顔してるんだって、多分わかってないんだろうな』


(コツコツという靴の音が響き)



「薫ちゃん」



「え、あ、青加隊長…?」



「やあね、津でいいわよ」



「そうか?なら津さん、何しに来たんだ?」




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