言えない理由U
涼
「僕は、そんなことなど思っていない…っ!!!貴女を愚弄する気は毛頭ない!!ですが、誰にだって、言えないことの一つや二つ有るでしょう!!僕は…っ!!!」
(感情が爆発し、怒鳴る)
薫
「っ、涼」
(突然の怒鳴り声に少々戸惑い)
涼
「…っ、いきなり怒鳴ったりしてすみませんでした。僕もまだまだ修行が足りないようです」
薫
「いや、こっちこそ。そうだよな、人に聞かれたくないことの一つや二つ…誰だってあるよな」
涼
「…だからと言って余計な気遣いは無用ですよ。……さて、今度こそ帰りましょう」
(わざと軽く)
薫
「…そうだな」
(それから何も言葉を交わさず本部へ帰還する二人)
(報告を終えた涼は自室へさっさと上がってしまった)
(薫は一人書庫に残る)
薫
「…あいつ、何があったんだろ」
(言いつつ過去の事件が書かれた書物を探す)
薫
「何で怒鳴りながら怯えてんだ…?」
薫
『泣きそうな顔をして怒るヤツなんて、初めて見た…。あいつは…涼は、自分がそんな顔してるんだって、多分わかってないんだろうな』
(コツコツという靴の音が響き)
津
「薫ちゃん」
薫
「え、あ、青加隊長…?」
津
「やあね、津でいいわよ」
薫
「そうか?なら津さん、何しに来たんだ?」
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