言えない理由
薫
「お、おいっ、ちょ、待てって!」
(薫が思わず涼の肩に触れて止めようとする)
(その手を涼は容赦なく振り払う)
(大きな音がして思わず薫は立ち止まった)
薫
「っ!」
涼
「触れるな。終わりだと言った筈だ」
薫
「りょ…」
涼
「帰る」
(すたすたと先を歩いて行こうとする涼)
(薫は後ろで立ち止まったまま動かない)
涼
「…何をやっているんです?帰ると言った筈ですよ」
薫
(涼のセリフに被せ)
「お前っ、いい加減にしろよ!私を馬鹿にすんのも大概にしろ!!!」
(容赦なく怒鳴る)
涼
「っ…?」
薫
「この間もそうだったがお前っ、私に訳の分からないことばかり言いやがって、そのくせ言い捨てで逃げるし、ああもうやってられるか!!!」
涼
「…」
薫
「だがなっ、お前みたいに頭がいいわけでもないが私だってわかってんだぞ、お前は私を見下してる、ってことくらい!!」
涼
「っ、そんなつもりはっ、」
薫
(被せ)
「だったらっ、この間の態度は何なんだ、今日の態度は何なんだっ!どうせ私には何も分からないって決めつけて、全てを話さないんだろ?!ふざけんなっ」
涼
「違う…」
薫
「どこが!!私には何も分からないから話さないんだろうが!?それで自分はどうせ理解されないって悲劇ぶって、内心満足してるんだろ!?」
涼
「違う!!!!!!」
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