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言えない理由


「お、おいっ、ちょ、待てって!」


(薫が思わず涼の肩に触れて止めようとする)
(その手を涼は容赦なく振り払う)
(大きな音がして思わず薫は立ち止まった)



「っ!」



「触れるな。終わりだと言った筈だ」



「りょ…」



「帰る」


(すたすたと先を歩いて行こうとする涼)
(薫は後ろで立ち止まったまま動かない)



「…何をやっているんです?帰ると言った筈ですよ」



(涼のセリフに被せ)
「お前っ、いい加減にしろよ!私を馬鹿にすんのも大概にしろ!!!」
(容赦なく怒鳴る)



「っ…?」



「この間もそうだったがお前っ、私に訳の分からないことばかり言いやがって、そのくせ言い捨てで逃げるし、ああもうやってられるか!!!」



「…」



「だがなっ、お前みたいに頭がいいわけでもないが私だってわかってんだぞ、お前は私を見下してる、ってことくらい!!」



「っ、そんなつもりはっ、」



(被せ)
「だったらっ、この間の態度は何なんだ、今日の態度は何なんだっ!どうせ私には何も分からないって決めつけて、全てを話さないんだろ?!ふざけんなっ」



「違う…」



「どこが!!私には何も分からないから話さないんだろうが!?それで自分はどうせ理解されないって悲劇ぶって、内心満足してるんだろ!?」



「違う!!!!!!」




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