邂逅X
(光は既に収まり辺りは静かになる)
B-105
「そんなに急な用なのか?」
マオ
「……すごく、すごく急ぎ…だよ」
B-105
「うーん…。私も、貧民街の出口って探したことないからなぁ…。明日、じゃ駄目か?」
マオ
「……出来れば今日が良いけど…。明日でも大丈夫…だと思う」
B-105
「そっか。(にっこり笑い)じゃあ、いつまでも立ち話してんのもなんだし…。ホラ、私の家に来いよ。案内してやるから」
マオ
「うん、そうだね。……お願い、します…」
B-105
『……こいつ、ぼーっとしてるかと思えば、さっきみたいに人格が変わったように激しくなる…。───面白いヤツ…』
マオ
「うう、ビーちゃん……。周り暗いよぉ……」
(怯えて)
B-105
「ああ、大丈夫。ここは貧しいけど、みんな優しい奴らばっかりなんだ。怖いことなんてひとつもな……」
(台詞を途中で切り)
B-105
「…なんか、聴こえる…」
マオ
「!!?」
B-105
「こっちに近付いてくるぞ…」
(ザッザッという足音がだんだん近くなり)
B-105
(思いっきり)
「誰だ!?」
優
「すまない、こんな時間に。人を探しているのだが…」
B-105
「人…?」
『もしかして…』
マオ
「あっ、優兄っ!」
(嬉しそうに)
優
『……やはりここに居たか。帰って来ないから心配したんだぞ」
(呆れと安心を混ぜ)
マオ
「うん…。ごめんなさい……」
優
「とにかく帰るぞ。もうはぐれるなよ」
マオ
「待って、優兄。聞いて、欲しいことがあるの……」
ED:『砂の都』
―第一章 邂逅 終 ―
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