覚悟U
薫
「ところで…能力ってどうやって使うんだ?私、あれからいろいろ試したけど、どうやっても能力なんてものが出ないんだ」
涼
「…イメージするんですよ。自分が能力を使う姿を」
薫
「イメージ……?」
涼
「なんとなく自分の持ってる能力は本能で感じてる筈です。……マオに触ってから、自分の中に何か変化があったと思いますが」
薫
「ああ……うん。何となくだがある。真っ暗で真っ黒なイメージが…私の中にずっと」
涼
『真っ暗で真っ黒…?』
「ほう…ではそれを徐々に形にしていきましょう。僕は貴女の能力を測る器具を持ってますから」
薫
「おう、分かったぞ!」
涼
「気を鎮めて。先ずは能力の塊を造ります。自分の中にあるイメージを手の中で固める感じで」
薫
「……っ」
(真剣に)
涼
「そう。次に自分の精神を手の中に集中させて」
薫
『集中、集中……っ』
「…て、わわっ!?」
(いきなり手の中に黒い塊が出来始め、若干びっくりし)
涼
「…ほう。思ったよりは優秀なようですね……。では仕上げです、それを飛ばしてみてください」
薫
「飛ば、す…?」
涼
「能力を使う基本です、何かしら言葉が浮かんではきませんか?」
薫
「あ、ああ…ええと、『シャドウボール』!!」
「って、えええ!!本当に、飛んでった…!」
涼
(考えながら)
「…シャドウボール……あれはダークエネルギーの塊、ですか…」
薫
「でも…あれが人に当たったら、どうなるんだ?」
涼
「そうですね…おそらくは軽くて昏睡状態、当たり処が悪ければ死にます」
薫
「なっ、し、死ぬ…?そんな…」
涼
「何を今更驚くのです?覚悟を決めた筈でしょう、入隊を希望したあの日」
薫
「っ」
涼
「まさかそんな…戦場でも人を殺したくないなんて…ふざけたことを言うつもりですか?」
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