そういう事情ならば…
【瞬の家】
瞬
「やっと寝たか…。今日は学校休みだな、仕方ねぇか。…しかし、さっき聞いた話……嘘言ってる風には見えなかったし、信じらんねぇけど、マジなんだろうな」
【回想】
チィ
「ごめん、ね、瞬くん。僕…迷惑、だよ、ね…」
瞬
「そんなことねぇよ。それに、謝んな。謝るのは俺の方だよ」
チィ
「なん、で……?」
瞬
「昨日のお前の話、信じてやれなくて…ゴメン」
チィ
「あはは……、良い、よ。僕も、考え無し、だったし…。まさか、いきなり"天使だ"って、言われても……困るよね」
瞬
「…ああ。それは、本当の話なのか?」
チィ
「ホント、だよぉ……。初対面…なのに、僕、瞬君の名前…知ってた、でしょ」
瞬
「確かに、言われてみればそうだな。──じゃあ今からお前の話は全て信じてやるから…最初から分かるように話してくんねぇか?あ、風邪…辛いなら明日にしても良いけど…」
チィ
「ううん、大丈夫〜…。僕はね、チィ・エレナーって…言うんだよ。毎日、下界の人達を見るのが、趣味だったの…」
瞬
『変わった趣味だな…』
チィ
「でもね、ある日、僕…罪を、犯しちゃったの…死ぬ運命の人間を、助けちゃったんだ」
瞬
「……」
チィ
「すっごく…怒られて、もう一回やったら、お前は消すって言われて…。で、下界(ここ)に落とされたの…」
瞬
「そう、か…」
チィ
「だから、家とか無くて…頼れる人もいなくて…」
瞬
「分かったよ。充分。ありがとな、辛いのに。さ、もう寝ろ。ここは俺しか住んでねぇから」
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