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おまけ2
ケイ
「なあ…オミ」

オミ
「なにー?ケイちゃん」

ケイ
「……何で、僕達はこんな所に居るんだったっけ?」

ユウキ
「うわあーーー、一面の銀世界ですねぇ!」

ケイ
「帰りたい…!!」



蒼い舟 番外編
「とある大雪の日の出来事」



オミ
「いやあ、これどうやって帰ろうね?」

ユウキ
「うわあーーー、雪だー!」

ケイ
「あんのタヌキ…今回の出張場所がこんな山奥の辺境で雪国だって僕は聞いてない!!」

オミ
「だねー。長老達も人が悪いよね」

ユウキ
「見て、見てください!!この雪!!雪って青いんですね!!!って、うわっ!?!?」


(ユウキがはしゃいでいるとズルっと滑り、それをケイとオミが支え)


ケイ
「バカ!」

オミ
「わ、ちょっ!」

ユウキ
「わー……びっくりした。ありがとうございますお二人とも!」

オミ
(台詞の最中に滑り)
「いやいや、礼には及ばない、よっ!?!?」

ユウキ
「よ、妖怪さんっ!?」


(頭をぶつけたオミはしばらくそのままの体勢で)


オミ
「痛……雪ってもっと柔らかいものだと思ってたけど……何これ超痛…」

ケイ
「何でお前怒ってるんだ?」

オミ
「怒ってない」

ケイ
「怒ってる」

オミ
「怒ってない」

ケイ
「怒ってるじゃないか」

オミ
(台詞を言いながらケイをぐっと引っ張り)
「怒ってないって言ってるだろ!!」

ケイ
「わ、バカ…!!」

ユウキ
「うわー!?ケイさーん!?」

オミ
「わーい引っかかったー!」


(オミと同じ所をぶつけたケイ)


ケイ
「いった……オミ、お前…!!」

オミ
「ほら、よく言うじゃん?パートナーは嬉しいことも苦しいことも分かち合うんだって」

ケイ
「それとこれとは違う。絶対に違う!」

ユウキ
「お二人ともずるいです!!…えーい!」


(ユウキが二人めがけて飛び込み)


オミ
「ユウキちゃん!?」

ケイ
「バカ!!さっきも言ったけどバカ!!」

ユウキ
「へへー、楽しいですねーっ」

ケイ
「っ……」

オミ
「なーに赤くなってんのー?ケイちゃーん?」

ケイ
「あ、赤くなんてないっ!!とりあえず、ここで倒れていても仕方ない。泊まれる所を探そう」



(しばらく歩き)



オミ
「ほんとにこんなとこにあるんだね、泊まれる所」

ケイ
「都合よくな」

ユウキ
「誰も居ないみたいです!…ここにします?」

ケイ
「そうしよう。外じゃなければ何処でもいい…」



(ロッジのような家の中に入り)



オミ
「暖炉も付けたし、これで凍死は免れそうだね」

ケイ
「やっと人心地ついた……」

ユウキ
「じゃあ外で遊んできまーすっ」

ケイ
「三回目のバカ!!!」

オミ
「やったー!ユウキちゃん行こう行こう!!」

ケイ
「お前ら本当にバカ!!!!」

オミ
「見て見てケイちゃーん!!雪だるまー!」

ユウキ
「かまくらですっ」

ケイ
「突っ込むだけ無駄な気がしてきた…」

ユウキ
「妖怪さん妖怪さんっ、すべり台作りましょうっ!」

オミ
「いいねー!!ほらケイちゃんも手伝ってよーっ、貴重な男手ー!」

ケイ
「……ああ、もう……。手伝いたいと思う、僕もバカ……」



(それから三人で散々遊んで)



オミ
「ぜい…はぁ……結構…本気で疲れた…」

ケイ
「あれだけ体力残しとけって言っただろ!」

オミ
「ケイちゃんだって遊んでたくせにーぐぇっ」

ケイ
「もうその口を閉じろ」

ユウキ
「うう…寒い……暖炉へGOです…」

オミ
「俺も…」

ユウキ
「はー……あったまるー」

オミ
「………ユウキちゃーん」

ユウキ
「はい?」


(突然ユウキに後ろから抱きつくオミ)


オミ
「あっためてよー」

ケイ
「ちょっ…」

オミ
「はあー…ユウキちゃんあったかーい」

ユウキ
「ふふっ、くすぐったいですよ妖怪さーん」

ケイ
「っ……」

オミ
「え、そう?まあほらちょっと我慢してよ、充電中兼見せ付け中なんだから」

ユウキ
「見せ付け中??」

ケイ
「!っ……オミ、お前いい加減にしろよ…」

オミ
「え、何でー?」

ユウキ
「ケイさんも寒いんですか?」

ケイ
「あ、……いや…」

ユウキ
「なら私があっためてあげますよぅ。ぴとっ」

オミ
「……」

ケイ
「ちょっ!?」

ユウキ
「ケイさん冷え冷えですねー」

ケイ
「ちょっ、ちょっと待てユウキ、離れろ!」

ユウキ
「え、離れた方がいいんですか?」

オミ
「だーいじょぶ、だいじょぶ。ケイちゃん照れてるだけだから」

ケイ
「誰が照れるかっ」

ユウキ
「ふふー、ユウキサンド、ですねっ」

オミ
「あ、ほんとだー。…俺、ああいうサンドイッチって、パンは一枚でいいと思うんだよね」

ケイ
「……僕もそう思う」

オミ
「包容力があるパンの方がいいよね」

ケイ
「しっかりしてるパンの方がいいんじゃないか?」


(しばらく二人でにらみ合い)


オミ
「……でもさ、一時休戦てのはどう?」

ケイ
「………バカ面…」

オミ
「可愛いとか思ってるくせに」

ケイ
「思ってない!!!」

オミ
「しー!………寝ちゃってる子を起こさないの!」

ケイ
「………」

オミ
「俺、今日のこと、絶対忘れないから。覚悟しといて、ケイちゃん」

ケイ
「……僕だって、のぞむところだ」




〜次の日〜

ケイ
「…なんっで……」

ユウキ
「あれー?雪が消えてますよー」

オミ
「幻だったのかな?」

ケイ
「僕達の苦労は何だったんだーーーーーーーーっ!!!!!!!」


おしまいっ



あきゅろす。
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