番外編 3 一か八かで悪魔を喚んでみたがまさか本当に現れるとは思っていなかった。 もしかして悪魔に頼んだら、理想の恋人ができるのでは、と思ったのだ。 「ぷ.....」 口元を押さえて、悪魔は軽く笑った。 「な、何がおかしいの?」 「お前、陣が間違ってる」 衝撃の真実。 自分は本のとおりに描いただけだ。では、この本が間違っていることになる。 「つくづく、人間はアホだ」 「.....」 「願いを叶えてほしいなら『天使サマ』にでも頼むんだな」 馬鹿にしまように、悪魔は言った。 「それと。俺を喚び出した、ってことは覚悟はできてるよな?」 すると悪魔は、鈴に手のひらを向けた。 「魂を抜く、とか...?」 妖艶に微笑む悪魔から離れるように、後ずさる。 漫画では、ここで悪魔に魂を抜かれてしまう、という展開だ。 「ぷはっ! やっぱり、人間はアホだ。魂なんていらねぇよ」 再び悪魔は笑い出す。 それは先ほどのとは違い、とても無邪気な笑みだった。 「お前、『まんが』とかいうのの読みすぎなんじゃねえ?」 「そう、かも...」 [*前へ][次へ#] [戻る] |